番外編・彼女と彼の最初の一歩

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「ねえ、ハジャル。連れていってくれる? この国のこと、もっと知りたい」 「勿論だとも。さあ、行こうではないか。お手をどうぞ、愛しいひと」  柔らかく笑ったハジャルが手を差し出す。  見慣れたハジャルの顔が、なんだかいつも以上に眩しく見えて、ラズリはごくりと唾を飲む。  さっきとは別の意味で緊張し震える手を握り返され、さらに息が詰まった。  呼吸が乱れて、身体の熱があがっていく。  ウングの空気は、とても暑い。  これはつまり、そういうこと。  今はまだそういうことにしておこうと、ラズリは呟いた。 f4a87675-4742-4131-aab7-eb330ee05c1e絵:遥彼方
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