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「はっ、そんなこったろうと思ったぜ」
龍崎さんの手下のヤス…じゃなくて、いや合ってるけど、安さんが合いの手を入れる。
「そんなオメエに、いいことを教えてやろうと思ってな。
姐さんもオメエに是非にって、お許しもくださったしな。
な、普段ならこんな出血大サービスなんてしねえから、感謝しろよ」
「いや、私…」
---クスリ漬けにされるなんて、絶対嫌っ!
私、まだ男子の手を握ったこともないのに、クスリ漬けで前後不覚にされて、その後ケダモノになった男たちにマワされるなんて、悲しすぎる…。
「なんだテメェ、姐さん達のありがたいご好意になんの不満があんだよ」
「まあまて、安。ヤッコさん、ビビってるじゃねえか」
龍崎さんは、安さんを一喝すると、一点柔和な顔に変わり、私の方を向いた。
---あ、これ知ってる。
極道の人たちのカタギへの接し方のお家芸、“飴とムチ”ってやつだ。
「すまねえな、安が脅かしてよお。
でも、薄井も変わりてえだろ?
でも、今のままじゃ何も変わんねー。
だからアタシらが、薄井が変身するのを、ちょいと手助けしようってだけのことさ。
薄井にこれから、スーッと気持ちが良くなって、カンタンにハッピーになれる秘訣を教えてやるからさ。
アタシらと一緒にキメようぜ。
身体がビックリするほど軽くなって、どこまでもトンでいけそうな気分になるから、明日からの仕事がすげー捗るぜ」
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