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絞首刑
笑ってる。悪魔が笑ってる。
私のことを見上げ、足を組み、腕を組み、映画でも見るみたいに楽しそうに、笑ってる。
私は椅子の上に立たされ、首にロープを巻かれている。
長いロープは天井の小さなフックに引っ掛けられ、下から悪魔の手下が絶妙な力加減で引っ張っている。
私はロープに手をかけて、その力に抗う、抗う、苦しい、苦しい、涎が出る、だらだらだら、と垂れる、垂れる。
それを見て悪魔が笑う。汚ねえ、汚ねえ、と言って笑う、笑う、ぎゃははははははっ。
滲む目の前、涙で悪魔の顔が歪んで、そのままそこから羽が生えて、本物の悪魔になるんじゃないかと思うほど、ぎゃははははは、と悪魔の笑いは止まらない。
やめて、助けて、と言うのだけれど首が絞まっているから言葉は言葉にならず、空白の教室にただの音となって響く、響く。
手を伸ばしてみるけれど、誰も手に取ってくれない。
こうやってもがけばもがくほど悪魔は余計に面白がることは分かっていたけれど、そうせずにはいられない。
薄れる景色の中、廊下に目を向ける。
誰か通りかからないか、それはできることなら先生がいい。
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