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『 年 月 日』
夫婦である高島研究員らが、子を持つのもいいと話していた。
私は人生のパートナーなど不要であるが、確かに子を育てる喜びは他にない尊いものだ。
Iー〇〇3を見ているとそう思えるのだ。
『 年 月 日』
Iー〇〇3は皆に好意的ではあるが、私を特別扱いしていると思う。
私にだけ見せる最高の笑顔があるのだ。
今日も培養槽に向かって愛を語る。
そうするとIー〇〇3は嬉しそうに耳を傾ける。
『 年 月 日』
そろそろIー〇〇3という番号ではなく、彼女に名前を与えようと思う。
彼女は被験体などではない。
皆の愛する子であり、私の何より愛しい人だ。
『 年 月 日』
キスの仕方を知っていた。
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