夕暮れの観覧車

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「え?」 「今日、ドタキャンして悪かった。空けておいてもらったはずなんだけど、ミスっちゃったみたいでさ、さっきまで仕事してた」   智也の仕事に迷惑をかけてしまったのではないかと心配していたから、その言葉を聞いてほっとした。 「電話で終わり時間伝えようと思ったのに、電話出ねーし」 「…ごめん」   謝ると、智也は「別にいいけど」と拗ねたように言った。 「ねえ智哉、今日が何の日か覚えてる?」   そう訊くと、智也は「当たり前じゃん」と笑った。 「あのさ、俺、今度は俺の番だと思って、用意してたんだ」
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