夕暮れの観覧車

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(最後に乗っていこうかな)   観覧車乗り場には、そこそこの列ができていたが、閉園には余裕で間に合いそうだった。   最後の思い出にと、観覧車に向かって歩き出す。   一人の遊園地は楽だけど、待ち時間が楽しくないなと思う。 スマホを触るのもアリだけど、智也と一緒だったら楽しかっただろうなと、智也からの着信を告げる通知を見ながら思った。 仕事のこと、友達のこと、将来のことなど、智也とはなんでも話した。 智也は秘密主義で家族のことや子供の頃のことはあまり話したがらなかったけれど、音楽のことはよく話してくれた。 初めて好きになった曲、音楽を始めたきっかけ、将来したい仕事、新しい曲のこと__智也が楽しそうに語る姿が大好きだった。
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