微熱

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微熱

眠る君の横顔は 今にも儚く消えそうで 抱き締めた温もりは そっと消えていった 目の奥に映る景色が 明るい色だけで出来ているのなら 暗くなるなんてありえない じゃあどうして体が重いのか? 汚れた涙は色褪せて消えて 僕らの明日への道標になっていく 夢じゃない理想でもない ただの幻想だった 戸惑い隠せぬまま大人になって 理由もなくただ人と出会って 勝手に好きになって 恋に落ちてく それで終わるならよかった 眠る君の横顔は 今にも消えてしまいそうで そっと手を伸ばして 掴もうとしても 届きやしないのは分かってるよ この苦しみがいつか 晴れる日が来ると信じ 抱き締めた温もりは 後悔と共に 君のいる場所へ 吸い込まれて行った "孤独"のまま愛し合うのも 悪くはないと思ってしまった僕 一体どんな風景が見えるかな? ……想像したくないや 巡る季節の中で僕らは出会い いつしか汚れた関係にまでなってさ いつか終わるなんて知ってたのに それだけじゃダメだった 眠る君の横顔に 消えないでって言えなくて そっと手を伸ばすけど 振り払われて じゃあ僕は一体どうすればよかった? この後悔がいつか 無駄と思える日が来るまで 抱き締めた思い出と 涙も共に 空の彼方へと 放り捨てたんだ 汚れてしまったこの体を 今すぐ捨てられたらいいのに こんな意気地なしの僕じゃ 出来やしないって分かってるんだ どうすれば君と出会わずに 幸せな人生を送れた? こんなことになるなら 君を好きにならなきゃよかった…… 眠る君の横顔は もう見たくなくて 側にいるだけで 心が苦しい もう見てられない もう生きられない こんな僕じゃ 幸せになれないでしょ? そう言ってよ もう嫌だよ 眠る君の横顔は 今にも消えてしまいそうで そっと手を伸ばして 掴もうとしても 届きやしないのは分かってるよ この苦しみがいつか 晴れる日が来ると信じ 抱き締めた温もりは 後悔と共に 君のいる場所へ 吸い込まれて行った 微かな願いとともに……
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