喪失

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喪失

ずっと一人ぼっちだった あの日から きっと僕は 幸せになれないよ きっと何やったって 何も変わらない どうせ僕は このままなのに 忘れたい過去が増えて 消えたくなって それでも生きなきゃいけなくって 胸が痛くて どうしようもできないのに 「どうにかして」なんて そんなの無理だよ 丁寧に書き連ねた 忘れたいあの日々を 拾い集めては またどこかへ放り捨てて 透明なガラスの囲いの中 今日も僕は歌う こんな歌を ずっと思い出していた その声を きっと僕は 過去に縋っているんだ 今じゃ疎らな人波も あの日なら とてもじゃないけど 息が詰まってた 全てを捨てて生きてきて 夢を見つけ その度に誰かに罵倒され もう耐えられなくなって 責任から逃げたくて 重圧から忘れられたくて 空へ飛び降りた 冒涜的感情が渦巻く 青空の真下で 苦しみ抗っては また夜風に吹かれ彷徨って 曇った磨りガラスの部屋の中 今日も僕は笑う こんな世界を どうすればいい? 解らないまま大人になって 自由とは何かも忘れてしまったみたい どうにもできないこんな世の中じゃ まさに生きる意味をなくしそうで 丁寧に書き連ねた 忘れたいあの日々を 拾い集めては またどこかへ放り捨てて 透明なガラスの囲いの中 今日も僕は歌う こんな歌を 今日も僕は憂う この喪失感を
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