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「皆んな〜ぁ!卒園おめでとう。
お兄ちゃんも嬉しいぞ!
何故なら、皆んなの前で歌えるからだよ。
そして何より、オレの師匠と一緒に演奏して歌えるからだ!
良いよな、カトケン師匠!」
突然の一馬兄ちゃんの言葉に僕の父ちゃんはビックリしていた。
でも毎年の事だから、父ちゃんは予想はしていたと思う。
「えっ、もう今回は勘弁してよ。一輝君……」
「えっ……カトケン師匠、自分の娘がピアノ演奏で昔のデビュー曲を演奏するって言うのにカトケン師匠は、それでも歌わないの?
歩美ちゃんはオレ達と一緒に毎日、練習してたんだぞ!」
「えっ、歩美が一馬君達と一緒に……」
「そうだぞ!そしてカトケン師匠が歌うソロを歩美ちゃんが歌ってたんだぞ!
今日は歩美ちゃんとカトケン師匠の親子コラボでイケメン5復活+歩美バンド結成だ!」
「もちろん、歩美ちゃんも良いよね!」
「うん!だって一馬達と沢山練習したもん!
父ちゃん、早くステージに上がって来て!」
僕はビックリした。
姉ちゃんも一緒に歌うなんて……
僕は姉ちゃんの歌なんて聞いた事がない……
「カトケンさん、歩美が一馬君達と練習してたって……」
「だから毎日、歩美だけ遅く帰っていたのか……」
「カトケン師匠早く、ステージに上がってこいよ。」
「カトケンさん、今回も逃れられないみたいよ。」
「えっ……」
「あっ、カトケンさんが渋々ステージに向かったぞ!」
「それに、旧イケメンメンバーの海斗と隆一とムサシまで出て来た。
これでイケメン5の復活だーーーぁ!」
僕が生まれる前に父ちゃんの入っていた幻のバンドって皆んなが言っていた。
毎年聞くけど、本当に父ちゃんは歌が上手いんだよ。
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