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「コケコッコ〜〜」
僕は毎朝、ニワトリの鳴き声で目が覚める。
僕達の家族の他にペットはニワトリ10羽に犬のゴン。
毎朝、姉ちゃんと一緒にゴンの散歩に行くのが僕達の仕事。
その後、ニワトリの卵を取るんだぁ……
ちょっと怖いけど。
朝は採れたての卵で目玉焼き。
「母ちゃん、毎朝、味噌汁とご飯と目玉焼きなんてつまらないよ!
フランスって所に行ってたのに歩美も向こうの朝ご飯が食べたいよ〜!」
「向こうの料理も美味しいけど採れたての野菜や卵には敵わないよ。
ねっ、カトケンさん。」
「う、うん……」
そう言えば、何回か母ちゃんはフランス料理を作った事がある。
凄く美味しかった。
母ちゃんの作る料理は凄く美味しい。
でも、材料費が掛かるから母ちゃんは嫌みたいだ。
全て自給自足を目指している。
そして今年も僕らの住む村は大麦が成長している。
「歩美ちゃん、歩夢君、犬の散歩かい?
今年も大麦の収穫の時は手伝ってくれよな!」
(助六さん65歳)
僕が生まれる前に不思議な事に、湧水が畑に流れて美味しい麦が出来て有名になったんだって……
「う、うん……手伝うよ?」
「そう言えば、今度、卒園式だな!
4月からは小学生か!早いもんだ!
2人はこの畑で生まれそうになったんだぞ!」
母ちゃんは言っていた。
助六さんと馬実さんの結婚式を、この畑でしたみたい。
その時、母ちゃんのお腹が痛くなって僕達は生まれたんだって……
「じゃね!助六さん!」
「おい歩夢、こんな田舎暮らし嫌じゃねー?」
「う、うん……」
姉ちゃんは、どうも田舎暮らしを嫌っているようだ。
「カトケンさん、歩美、毎日帰るのが遅いのよ……」
「歩夢と性格が違うから、毎日何処かで遊びまくってるのかなぁ…
僕から注意しておくよ。」
「うん。いくら田舎って言っても心配だもんね……」
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