78人が本棚に入れています
本棚に追加
「いよいよ明日が歩美と歩夢の卒園式だね。」
「ほんと、ツクシさんが園長で良かったよね。」
「保育園の先生達も皆んな優しかったし、残念なのがモナカさんが一馬君と結婚退職した事だけど……」
モナカ先生は僕の1番大好きだった先生。
大きくなったらモナカ先生と結婚しようと思ってたのに、一馬お兄ちゃんと結婚するなんて……
頭が悪くても結婚出来るって初めて知った。
一馬お兄ちゃんは本当のアホなんだよ。
モナカ先生はきっと一馬お兄ちゃんが心配で結婚したと思うんだ。
あっ、明日は僕達の卒園式だから早く寝なくっちゃ!
おやすみ。
ー翌日、万福保育園ー
「おはようございます!」
門の前では、ツクシおじいちゃんが立って皆んなに挨拶してる。
「おっ!歩美ちゃんに歩夢君、今日で保育園とはサヨナラだね。
よく頑張ったな!園長先生は嬉しいよ。」
「健二君、明美さん、いやっ…加藤さん、ご卒園おめでとうございます。」
「ツクシさん、あっ、園長先生長い間、大変お世話になりました。」
「今日は、歩美ちゃんのピアノ期待してますよ。」
「歩美、家では緊張してる所を見せないんですよ。」
「やっぱり歩美ちゃんらしいですね!」
姉ちゃんは、何でも目立つ事が好きで卒園式のピアノ弾きを狙っていた。
でも、僕の家にはピアノが無いのでツクシおじいちゃんの喫茶店に行き、毎日ピアノの練習をしていたんだ。
他の卒園児はハーモニカとオタマトーン。
僕はオタマトーンをしっかり弾けるようになった。
今日は絶対に失敗はしないぞ!
でも今から緊張して来た。
「歩夢、行くよ!」
「うん、姉ちゃん……」
「カトケンさん、ほんと性格が違うね。」
「どう見ても歩夢は僕似だね……」
最初のコメントを投稿しよう!