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姉ちゃんのピアノで卒園式が始まった。
曲は、『さよなら、僕のようちえん』
をずっと練習した曲。
早くも周りのお父さんやお母さんは、僕達を見て泣いてる。
僕は緊張してるけど少し余裕があるみたい。
だって、沢山練習したんだもん!
「歩美、ピアノ凄いよ!
アケビさん、歩美、いつの間にあんなに上手くなったの?」
「私も知らなかった……
あの子、口ではいつも強がり言ってるけど、凄く頑張り屋さんなんだよ。」
「歩夢もオタマトーン頑張ってるよ!」
《ブ〜ッ……》
その時、僕は大事なところで音を外してしまった………
「あっ、ごめんなさい……」
皆んな、僕を見てる………
「歩夢、頑張れ!」
その声は僕のお姉ちゃんの声だ。
そして周りのお母さんやお父さんまで……
「歩夢君、頑張れ!」
「歩夢君、大丈夫!」
この万福村の皆んなは家族同然の関係だから皆んな僕達を励ましてくれる。
万福村の子供達は我が子と一緒だって!
失敗はしたが、その後は頑張れたと思う。
僕の友達も笑顔で微笑んだ。
客席から、お父さんやお母さんがざわついた。
「今年も、もちろん有るんだよね!」
「無かったらショックよ!外には沢山の警備員が保育園に関係者以外入れないようにしてるもんね!」
「アケビさん、今年も一馬君が仕掛けるの?」
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