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高校を卒業して1年経つ前の正月だった。
地元で高校の同窓会があった。
たまたま正月休みで実家に戻っていた僕は、同窓会に出席した。
女子は、もともと誰が誰だかわからない程度しか関心がなかったのだが、同窓会に集まってきた女子は、皆、派手に化粧をして着飾っていたので、まるっきり見知らぬ人々に思われた。
わかったのは弘子だけだった。
弘子は、化粧もせず地味で目立たない服装をしていた。
男子も、皆、スーツを着たり、流行りのジャンパーを着たりして、大人になりかけた自分が嬉しくて仕方がないとでもいうように、ワイワイ盛り上がっていた。未成年だというのにタバコを吸っている奴が何人もいた。
皆、悪びれた様子も見せず生ビールで乾杯した。
僕は、ウーロン茶を頼んだ。
僕は、始まりの乾杯をした時、すでに出席したことを後悔していた。
それから毎年のように、高校の同窓会は開かれていたらしいが、僕は地元に帰らなかった年もあるし、行きたくなかったから参加しなかったのか、とにかくしばらくの間、同窓会に参加しなかった。
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