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「西先生。303号室の中井さんが、先生とお話したいそうです。」
「あ・・・今、行きます。」
急に現実に引き戻される。
中井デンキのおっちゃんは、
「令ちゃん、ありがとう。助かったよ。一時はどうなるかと思った。何だかもう、どこも何ともないような・・・明日にも帰れそうな気がするよ」
と、明瞭な発音で話した。
「よかった。まだ油断はできません。いつも、お忙しいでしょうから。この際、少しゆっくり休養して下さい。中井さんには、まだまだ長生きしていただかないと。うちの息子、この間、中井さんに修理していただいた僕が小さい時に遊んでた電動で歩くゴジラ、すっかり気に入ってます。まさか、もう動かないと思ってたから僕も感動です。」
中井のおっちゃん、ニコニコしてたはずだったけど・・・
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