第四章 前編

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「しかもあんた、昔はヒーロー側の人間で色々やってたみたいじゃないか。 ヒーローと悪党の両方と組んでいる怪しいカフェ。この情報がこの町中に流れたらどうなるだろうな」  怯むことなく強気なマスターが答える。 「何が言いたいのでしょうか?」 「口止め料777万円だ。それかこの店をもらおうか」  スロット好きなのか、謎の777万円を要求してくる男が駆け引きをしてくる。 「そんなこと出来るわけないじゃないですか。どうぞお帰りください」 「おっと、そんなこと言っていいのかな?」  そういうと男は銀色に光るナイフを取り出し、マスターに向けた。  この瞬間にカフェの空気がガラッと変わった。  近くにいた別の客が悲鳴を上げる。  それを聞きつけた七海が裏から出てくると、ナイフを突きつけられたマスターが目に入った。 「やめて!マスターから離れて!」  女性の声が響き渡る。  さっきまで俯き加減だった七海が、急に大声を出した。  そのまま男達の方へ向かっていく。 「おっとこんな少女に何が出来るのかな?」 ナイフを今度は七海に向けようとすると、後方の席から満を持して桃子がやってきた。 「この子達から離れなさい!どうなっても知らないよ?」  男は笑みを浮かべながら返す。 「お、ヒーロー発見~!」  桃子は元アイドルなので世間的にも顔が知られているヒーローでもある。 「マスター、七海ちゃん下がってて!」  そういうと桃子はグリーンに変身した。
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