第一章

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 メイが会話の流れを引き戻す。  「反省や意見はこのくらいにして、次どうするか考えようか」  「こっちも不意打ち仕掛けようぜ!」  「不意打ち?今日それでやられたからって適当に言ってないよね?サカキは情に左右されるところがあるから」  「いやいやメイさん、今日はちゃんと考えがありますよ。……明日攻撃仕掛けませんか?」    メイは少し不意を突かれて反応に遅れたが、スマホを手に取り明日の予定を確認する。  「明日は朝から仕事あるけど、夕方には終わるわね。そこからってこと?」  「そうっすよ。まさかヒーローも連日攻撃仕掛けてくるとは思わないんじゃないですか?それに明日はローテーションも予想しやすい」    作戦担当のウツギが、天井を見上げながら状況を整理する。  「ローテーションですか、なるほど。   昨日はレッド、ブルー、グリーン。今日はレッド、水色、グリーン。   すると明日はわりと絞られますね。   ヒーローの基本出勤人数は2人か3人。3人出勤が休日の2日連続で続きましたから、平日の明日は2人の可能性が高い。   メディア的にもこの土日で取れ高は十分ですから、明日は本気で来ない可能性がありますね」  「だろ!?連戦のレッドとグリーンがいない可能性が高いし、平日出勤が少なくて連続にもなる水色も考えにくい。すると必然的に落ちこぼれの裏葉柳と電気使いのブルーだろ。ブルーか……」    ヒーローの中ではリーダーのレッドよりも圧倒的に強く、相手に容赦がないと噂されるブルーの名前に黒豆団全員が怯みだした。  「でもいつかはブルーも倒さないといけないんだからね?それにこの前ブルーの電気攻撃に効果がありそうなものこの前入手したでしょ?いけるって!」  リーダーの強気な言葉に団員も奮い立つ。  「あ、ゴム手袋と電気設備作業員が着ているワークウェアだよな!あれをまとえば電気も怖くないな!」  「それでは作戦を整理します。明日仕事終わりに攻撃を仕掛けます。ヒーロー側は電気使いのブルーと、正直ヒーローの中では一番弱い裏葉柳の2人と予想。   ブルーには耐電気仕様で立ち向かって集中攻撃。そして残った裏葉柳も倒す。これで行きましょう!今度こそ勝てます!」    3年戦ってきてついに勝てるかもしれないという、気持ちから黒豆団全員のテンションが上がる。    「じゃあ景気づけにいつものやりますか」    黒豆団3人が円陣を組む。  「黒豆団!行くぞ!ブラックビーンズ!」    
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