429人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺達、もう帰りますから。
広子、帰るぞ!」
成瀬はそう言って立ち上がると、
テーブルの上の伝票を手に取る
「ゆっくりとして行けばいいじゃないか?
だから、もう二度とこの店に来るなよ。
この場所にお前が居る事が、許せないんだよ。
本当、いっその事、お前なんか居なくなってくれればいいのに。
この世の中で、俺はお前程憎い人間は居ないから」
和真はそう言い切ると、
私達に背を向けて歩いて行く
その背中は、突き当たりを曲がる事で消えた
向こうには、パーティールームのような個室があるのだろう
時々、そちらから人がお手洗いか何かで、歩いて来るのを見る
きっと、和真もそんな時に此処に居る成瀬の姿を見掛け、
近付いて来たのだろう
最初のコメントを投稿しよう!