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「広子。
怖がらせてごめんな」
そっと、頬に触れられて、
うん、と頷いた
今の須田は、いつもの優しい須田で、
少しずつ自分の中から恐怖が消えて行く
「広子、お前今日飯食った?
」
須田は確かめるように、
キッチンの方へと視線を向けた
「ううん。
まだ……」
今も、お腹は空いていない
「なら、何か食いに行こう。
今日、店休んだから」
そう言って須田は立ち上がると、
私の手を引っ張って立たせる
足にあまり力が入らない
「――じゃあ、ラーメンが食べたい」
そう呟くと、俺も、と須田は笑う
今日の事は忘れよう
今日の須田の事は、忘れてしまおう
何も無ければ、須田は本当にいい奴だから
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