1 6月の限定パフェ

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マサさんとは、不動産屋さんの紹介で知り合った。 私の事情と要望を聞いた不動産屋さんが、物件の見学と同時に大家さんに会ってみないかと持ちかけたのだ。 訳もわからぬまま、言いなりになって、「やおよろず」に連れてこられた。 事情を聞いたマサさんは、ニカッと笑ってこう言った。 「二階が貸部屋になってる。 3部屋のうち1部屋が空いてる。 他の2部屋は学生一人と社会人一人。 どっちも男だけど、いい奴らだから、お嬢ちゃんさえよければ貸すよ。」 家賃が破格だった。 部屋はワンルームでこじんまりしたものだったけど、台所もちゃんとしていたし、お風呂と洗面所は別だった。 それに外見よりも部屋は小綺麗。 一目で気に入った私は、 「是非、お願いします!」 とマサさんに頭を下げた。 「ま、1階が居酒屋なもんだから、ちょっと夜はうるさいんだけどな、それは勘弁な。」 家賃が安いのはそれが理由のようだった。 「まったく構いません。」 「さっきの話だと、生活費は自分で稼ぐらしいけど、バイトとかは決まってんの?」 「これから探します。私、中学からずっと陸上やってて、大学でも続けるつもりなので、そっちとうまく時間を合わせたいんで、何がいいかは考え中です。」 空き時間を利用してだと、単発のバイトを組み合わせて稼ぐしかないかなと思っていた。 平日は練習後の夜。 週末も練習時間を避けて入れないといけないわけだし。 「ふーん。」 マサさんは、私の話を聞いて、何やら考える様子だったけど、またニカッと笑って言った。 「大学入ったら、バイトどうしたか、また教えてな。」 私は特に疑問も抱かず、はい、と答えた。
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