1 6月の限定パフェ

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大学に入り、陸上部にも入り、生活が始まった。 慣れるまではバイトなんてできる状況じゃないのが本音だけど、それでは生活ができない。 どうしようか焦っていたときに、マサさんに店に来るように声をかけられた。 「夕飯、おごってやるよ。軽い入学祝い。」 店の定休日の日曜で、店には当然誰もいなかった。 せっかくの休みなのに、気にかけてもらって申し訳ないと思いつつ、節約生活で正直ろくなものを食べていないから、つい甘えてしまった。 マサさんが用意してくれたのは、ジューシーでボリューミーなチキンステーキだった。 タマネギたっぷりの和風ソースがすごくご飯に合う。 夢中になって食べていると、マサさんに尋ねられた。 「バイト、どうなった?」 「うーん。なかなか。学校と部活のペース掴むのに手一杯になってて、うまい具合にバイトを探せてなくて。 でも、そろそろ働かないと、蓄えがなくなっちゃうんで。」 大学に合格してから、短期で必死に働いて、少しは貯金がある。 それをとりあえずの生活費にまわしていた。 「そっか。ま、そうだろうなー。ちなみに陸上部の活動は? 毎日?」 「ほぼ毎日です。平日は週1で休養日があるけど、曜日は定まってなくて。 週末も大会がないときは、半日程度の練習があります。 なので、夜のバイトが確実かな……とは思うんですけど……。」 「ダメだ!」 マサさんが食い気味にかぶせてきたので、私はびっくりして目をぱちくりしてしまった。 「練習の後からバイトに入って、それなりの時間働くとなると、かなり遅くなるよね?  凪ちゃん、女の子の一人暮らしなんだから、そんな遅くに出歩いてるなんて危ないだろ?」 「いやいや、私、こんな容姿だし。」
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