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で、違和感が確信にというか、ちょっと怖いなと思ったのが、昨日のこと。
妹の友だちが家に遊びに来ていて、俺が河内の友だちだと知ると、
あいつのことを紹介してほしいと頼んできた。
格好悪い話だけど、そのとき俺、なんか嫉妬しちゃって。
「あいつはやめといた方がいいって。
デートで待ち合わせするときとか、困るよ」
「どういうことですか?」
「いや、実はさ……」
さっき書いた、渋谷での出来事を話したんだ。
そうしたらその女の子、すっと顔が青ざめた。
「どうしたの?」
「だって、冬休みのことですよね?」
「ああ」
「なのに、河内さんの周りにいたサラリーマン、
シャツの色が分かるような格好をしてたんでしょう?」
たしかに、と俺は息を呑んだ。
みんなが厚手のコートを羽織っていたあの日。
俺が見たサラリーマンたちは、ジャケットすら身につけていなかった。
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