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 目が覚めた少年は、辺りを見渡した。  おかしい、と思った。自分が眠っていた場所は、こんな所ではなかった。  もっと温かくて、ふわふわしていた筈だ。すぐ傍で、優しい声もしていた。  それなのに、ここは肌寒い。誰も居ない。全ては夢だったのだろうか。  すぐ傍には、ドングリが落ちていた。上を見上げれば、コナラの木が聳え立っている。  体を起こした少年は、じっとドングリを見詰めた。触れると、皮がつるつるしている。  一つ、また一つとドングリを集めてみる。不思議な事に、その数が増えれば増える程、思い出される記憶があった。  何故、自分がこんな所に居るのか。何故、自分がドングリに惹かれているのか。  少年は、その木の実たちに想いを馳せた。先程まで見ていた夢と現実が繋がる、唯一の鍵になると信じて。
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