次の日

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次の日七海は、朝食を食べながらテレビを見て いた。 「やっぱり朝は目玉焼きにウインナーに野菜に トーストそして挽きたてのコーヒーそれに フルーツお母さんの朝食はいつも洋食で美味しいね」母親の河口七子にそう言った。 父の勇は笑っていた。 「たまに早く起きたからって朝食七海に誉められてもね~そんなに美味しかったらいつも早く起きな さいよ。慌てていつも朝食食べて学校に行くじゃない」 七海は「は~い努力しま~す」そう言った。 河口家は穏やかな朝を迎えていた。 朝食を食べながら家族でテレビのニュースを見ていた。そこに映っていたのはまた「佐久間美子」 だった。 佐久間美子は今は売れっ子小説家で高校中退して から小説一本で頑張っていた事は知っていた。 どんな作品も書けるマルチ小説家と今では言われるまでになっていた。 そのテレビのニュースに七海は釘付けになっていた。「佐久間美子」はまた大きな賞を応募したらしい。そしてたぶん大賞を取るだろうとニュースではアナウンサーが話していた。 丁度この頃、桜井桃子と父慎吾と母凛子も朝食を 食べながら同じニュースを見ていた。 「また佐久間美子コンテストに応募したのね。 しかも大賞とれそうって。こんなにすぐ有名になるのは確かにおかしい❓️もしかしたら七海が言った通り佐久間美子も行方不明になるんじゃないのか?」 桜井桃子も心配しながらテレビを見ていた。 二人はいつものように学校に向かった。 しばらく歩いて行くと七海と桃子は合流した。 「おはよう桃子」「おはよう七海あれ里香~? ここでいつも会うはずなのに」 その日、里香と通学途中に会う事はできなかった。そして学校にも来ていなかった。 その時、担任の鍵屋陸が教室に来て言った。 「綾瀬里香が昨日から帰っていないらしいんだ。 誰か行方を知ってる人がいないか?河口、桜井  君達は綾瀬と仲が良かったよな?何か知らないか?」教室はざわついていた。 「あいつ隣のクラスの入口で最近いつも一人で 喋ってたよな?まるで本当に誰かと喋ってるような?なんか俺怖かったよ」 「私も最近の綾瀬さん怖い」 「行方不明になった?でもそれなら噂と違うよね?有名作家になった作家さんだけ行方不明になるんだよな?まだデビューもしてないし」 七海と桃子は心配になった。 「デビューもしてないのに何で?何で?家に帰らないの?」 七海と桃子は学校の帰りに世田谷の廃校の小学校へ行くことにした。 もう、週末まで待っていられない。 二人は今日の授業が早く終わらないか?そればかり考えていた。 授業が終わった。桃子と七海は家に 「今日は遅くなる」と電話すると世田谷まで行く 電車を飛び乗って廃校の小学校に向かった。 「あの教室だけ電気がついている?きっとあそこにいるんだわ里香は」 そう桃子が七海に言うと急いで教室に向かった。 そこで二人が見たものは、はっきり見たもの それは……赤井順に厳しい指導を受け暴力まで振るわれながら何かに取り憑かれているように小説を 書いている里香の姿だった。 そして教室を不思議そうに眺めている小学生四人がいた。 「君達この教室誰がいると思う?」 桃子は七海が何で小学生にそんな事を聞いたのか? わからなかった。 その時小学生は言った。 「女の人が二人いるよ」そう言った。 「その女性ってこの人の事?」 小学生は答えた。 「そうだよこのお姉ちゃんだよ。いつも二人しかいないよ。変だな~と思って近所だから心配で来て たんだ~。週末も見たけど、まるで二人とも一人で話しているみたいだった」 「ありがとう」桃子と七海は 「子供には赤井順が吉本洋子が見えるんだ。 やっぱり赤井順は吉本洋子の悪霊に取り付かれている。今、赤井順の中に吉本洋子はいるんだ。 だとしたら赤井順に目を覚ましてもらわないと 里香は救えない。何とかしないと……」 二人はどうして……どうして……里香は有名作家では ないのに……。 どうして里香が家に帰る事ができないのか? 二人にはわからなかった。
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