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半年後
七海と桃子は週末なので待ち合わせして里香が入院してる病院に向かっていた。
二人で歩いていると七海の携帯が鳴った。
それは、里香の母親からだった。
「七ちゃん桃ちゃんにも伝えてね。里香の意識が
戻ったの」
「本当ですか?よかった今、病院に向かってます」
「私も病院から電話があったからすぐ行こうと思って」
桃子も
「七海~里香の意識が戻ったの?」
「そうよ。急ごう」
二人は急いで病院に向かった。
里香の両親も病院に向かっていた。
一時間くらいたつと病院に着いた。
ほとんど同時に里香の両親も病院の入口に着いた。四人は里香の病室に急いだ。
ドアを開けようとしたら鍵屋先生と里香の中にいる吉本洋子の声がした。四人は担任の鍵屋が言った言葉が信じられなかった。
「洋子、お前は兄貴の大切な娘なんだ~だから
亡くなった事は認めたくない。
里香の身体で生きられるようにお前を生き返らせる為に俺は神頼みでも呪いでも何でもやったんだよ
里香は洋子と同じ背丈で性格も似ていた。だから
呪いを掛けたんだよ。その分野に詳しい人を探してね。どうだ?物件の居心地は」
「おじさんもうやめて私は確かにはじめは小説家になりたいと思って物件を探してた。
でもみんな身体が弱っていくし、他の小説家の人はみんなあるところで共同生活をしている。
そこまで追い込んだのはみんなおじさんの
せいじゃない。そろそろ成仏したいの。
もう呪いを掛けないで」
七海達四人は病室のドアを開けた。
「鍵屋先生どういう事なんですか?」
四人は鍵屋に詰め寄った。
「私はただ洋子を生き返らせたかったんだ。
そして夢を叶えさせてあげたかった。
先生にとって大切な姪だからね。
その為に降霊術呪いというものをかけてもらったんだよ」
「先生すぐに呪いを解いてください」
「おじさん成仏させて」
里香の中にいる吉本洋子が叫んだ。
「わかった。仕方ない呪いを解くよ」
呪いを解くには洋子が小説家の夢をきっぱり諦めれば綾瀬の身体から自然に抜けるよ。そして……
私が降霊術呪いを掛けた先生に頼めばね。
そう言った。赤井順も目が覚めた。
赤井順は今まで何があったのか?
全て覚えていなかった。
鍵屋は吉本洋子を生き返らせるのを諦めたようで
病室を出て行った。
何気なく窓の外を見ると「佐久間美子」の姿が見えた。
七海と桃子は
「朝のテレビで見たんだけど佐久間美子が行方不明だって私、佐久間の後をつけてみる」
そう言って桃子と七海は病室を飛び出して佐久間の後をつけた。佐久間美子の先にあるもの……
それは小説サークルと書いてある一軒のとても古い民家だった。桃子と七海はこっそり見ていた。
そこには、行方不明になったとテレビで放送していた有名小説家佐久間美子を入れて19人が青い顔を
してずっと小説を書いていた。
桃子と七海は
「みんなここにいてはいけない。家族が心配してるから帰りましょう」そう言った。でもその声は
有名小説家の作家さん達には届いていなかった。
ただみんな誰かにまるで導かれて自分の意思で
ここに来て小説を書いているようだった。
桃子と七海は警察を呼んで小説家の作家さんを
保護してもらった。
有名小説作家は警察官の質問に同じ事を話した。
「ここに来てもっと小説の勉強をすればもっと
有名になれると吉本洋子に言われた」と
七海と桃子は思った。
吉本洋子はいくら成仏したくても小説家になりたいという念だけはさまよってしまっているのではないのか?と、
しばらくして里香も赤井順も病院を退院した。
里香の身体から吉本洋子はすっかりいなくなり
元の元気な里香に戻った。
里香はまだ夢を諦めていない。
でも、しばらくするとまた有名小説作家だけが
行方不明になると言う事件が続いていた。
吉本洋子の念を沈めようと霊能者達が世田谷の廃校に次々来て拝んでいたが吉本洋子の念は消える事はなかった。
担任の鍵屋も諦めて吉本洋子を成仏させようと
いろいろな霊能者に頼んだが、念だけは残っている
とても、私にはどうすることも出来ないと言われる結果になってしまった。
七海達は吉本洋子のお墓を教えてもらい。
手を合わせた。
「私達は友達だよ。ずっと友達だから成仏して」
心の中で七海と桃子と里香の三人はそう言いながら手を合わせていた。
完
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