金曜日

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金曜日

とうとう里香 桃子 七海は小説が上手くなるような専門学校を見つける事ができずに金曜日を迎えてしまった。 佐久間美子は朝早くテレビ局の人が車でお迎えに 来てテレビ局に向かった。 クラスのみんなは 「テレビ局でインタビューだってよ」 「時の人になっちまったな~」 「俺達とは出来が違うんだよ。成績もトップ だしな」 「私、サイン今度来たらもらう」 「俺も俺も」 「私も」 教室の中は「佐久間美子」の話題で盛り上がって いた。 そんな時、担任の鍵屋陸が教室に入って来た。 「テレビの準備をするぞ誰か手伝え」 めったに使わないテレビ画面をきれいに拭いて 線を接続した。 「これで映るかな?試してみよう。 何とか映ったようだなこれでよし。 あと30分で始まるから今のうちトイレ行っとけ そして椅子に座っていろよ。佐久間がでるからな」担任の鍵屋は嬉しそうだった。 自分のクラスの生徒が有名作家になるのだから 当然の事だろう。 30分後フジ朝テレビのニュースで記者会見が 行われた。「佐久間美子」は美人アナウンサーの 花園ありさに司会進行されるらしい。 花園ありさは言った。 「マスコミの皆様はのちほど質問コーナーでお願いします。では改めて紹介します「細井高等学校」 一年B組の佐久間美子さんです。 この度はミステリープレミアム大賞を受賞 おめでとうございます」 佐久間美子は 「ありがとうございます」 花園ありさは言った 「この作品を書こうと思ったきっかけは何ですか?」 佐久間美子は 「私は話すのが苦手でいつも小説ばかり読んでいました。こんな性格じゃあ友達も出来ない もしかしたら、小説を書く事によって自分が変われると思ったんです。 クラスメイトに小説書いている人がいて 私もやってみようかな?って軽い気持ちだったん です」 花園ありさは 「この作品のアイディアはどこからヒントを得たんてすか?」 佐久間美子は 「これは「細井高等学校」のクラスメイトの普通の日常がいきなり事件に巻き込まれていつもの日常が壊されたら面白いんじゃないかな?って思ったので」 花園ありさはさらに聞いた。 「この小説の「ミステリーは日常に潜んでいる」 という題名をつけたのは何故ですか?」 「モデルがうちの高校のクラスだったので本当に 身近な事だと言う事を強調したかったんです。」 佐久間美子はそう答えた。 花園ありさは 「それではここで質問タイムを20分儲けます 質問する人はどこの会社かと言う事と名前を言ってから質問してください」 「はい」花園は「そこの3列目の右の方」 「はい日フジテレビで報道をしている亀井義雄ですがいつから小説家になろうと思っていたんですか?」 そう聞くと佐久間は 「小説家になりたいなんて一度も思った事はありません。ただ自分を変えたくて今回始めて応募したら大賞をとってしまったんです。 運がよかっただけです」そう答えた。 他にもいろいろな質問をされ佐久間はその都度 丁寧に答えていた。 それをクラスで観ていた里香 桃子 七海は 佐久間のインタビューが面白くなかった。 「何が小説家になりたいと思った事なかったとか クラスに小説書いている人がいるとか話してさ~ 私より優れていると自慢してるみたい。 わざわざ言わなくてもいいのに」 そう三人で話していた。 20分の記者会見が終わると 花園ありさは言った 「ではこれで記者会見を終了します次は雑誌の インタビューですので失礼します」 マスコミはそれでもまだ聞きたいらしく 「今後もミステリー書くんですか?」 「一言話してください」  そう言ったが足早に舞台の袖に逃げて行った。 今度は雑誌のインタビューで忙しいらしい。 クラスでは担任の鍵屋が 「じゃあもう終わりだ。テレビを切るぞ~線を抜くから」そう言ってテレビのスイッチを確かに切った そして線を抜いたはずだった……。 なのにテレビが消えない。 担任の鍵屋も 「何で⁉️消えないんだ❓️」クラスメイトも何度も確認をした。確かに線は切ってある。 「いったいどうして❓️」 するといきなり線を抜いたテレビ画面に別の番組が映った。 それは若い男の人だった20代くらいにみえたその イケメンの男性は言った。 「君達、僕のところで小説家になる為の勉強をしてみないか?電話番号はここだから僕なら君達を有名作家にしてあげられるよ。 僕もいくつか大賞を取っているからね。 赤井順でミステリーと検索すれば出てくるだろう。君達の携帯に僕のQRコードを送っておいたから。アドレスからも送れるから」 その男性「赤井順」がそう言うと今まで消えなかったテレビが消えた。  その後、クラス全員の携帯に「赤井順」が 映し出され、アドレスも張り付けてあった。 「何だ❓️これは❓️」 「急に携帯がこんな画面になるなんて」 「何だか怖い」 「キャー何で❓️」 クラスメイトは口々に震えながら言ったが 里香は携帯に向かって話した。 「赤井順さんのところに行けば本当に小説家になれるんですか?費用はいくらですか?」などを つい独り言で叫んでしまった。 テレビ電話でもないのに通話できるはずがない。 それなのに「赤井順」は里香に言った。 「勿論だよ里香ちゃん、君でもプロの小説家に なれるよ。僕の指定するところに土日 10時から12時まで小説の書き方の勉強すればね。 君はクラスメイトの佐久間美子さんに先を越されて悔しくないのかな? 悔しかったら小説家赤井順で検索して僕の小説投稿サイトに登録してごらん。それが終わったら僕が 教えてあげるよ。費用は一ヶ月1000円だ安いだろう❓️」 里香と桃子と七海はその携帯画面を見ていた。 すると携帯画面は突然いつもの画面に戻った。 「これはどういう事❓️」クラスメイトだけでは なく担任の鍵屋もガタガタ震えていた。
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