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赤井順
佐久間美子のテレビの記者会見の後の「赤井順」の
話でクラスはざわついていた。
「何なの?あれ?確かにテレビ消したはずなのに」
「スイッチも切ってたよなー」
「それに私達の携帯画面にいきなり赤井順って
男が映るなんて」
「それに何あれ?誰でも小説家にしてあげるとか
言ってたけど?」
「怖いよねーきっと新手の詐欺じゃない?
始めは月1000円とか言ってさ~そのうち
コンテストに受からないから3000円
次も駄目だから5000円とか値上げするつもりだよ。里香~騙されちゃ駄目だよ。いくら小説家に
なりたいと思っても怪しいサイトには登録したら
駄目だからね。だいたい赤井順なんて小説家
知ってる?」
「知らない。私もたくさん小説読むけどミステリー小説で大賞取った人にそんな名前の作家いたっけ?それに怪しすぎるよね~あのサイトもしかしたら
登録したら本当に詐欺にあうのかも?
でも、小説の書き方教えてくれるなら後で怪しければ警察に言えばいいし、何より佐久間美子に
負けたくない」
里香は桃子と七海にそう言った。
桃子と七海は反対していたが里香は迷っていた。
もしかしたらこんな読まれない小説を書いている
私でも有名になれるかも?しれない。
里香は淡い期待が半分不安が半分心の中で渦巻いていた。
その日の授業はテレビのスイッチを切っても
ついていた。テレビ画面が変わって赤井順が携帯とテレビに映し出された事……それがみんな頭から
離れない様子でどの授業もうわの空だった。
先生も呆れていた。
その日学校からの帰り道、里香は桃子と七海に強く言われた。
「いい。絶対に赤井順のサイトにアクセスしては
駄目だからね。怪しいし、昔から言うでしょう?
上手い話には裏があるって」
里香は
「わかった」そう二人には言ったが、怪しくても
何でも小説家になれるんだったら?
佐久間美子に勝てるんだったら?そんな思いから
家に帰ったらサイトに登録しようと思う気持ちの
方が大きくなっていった。
「ただいま~」家に着くと玄関を開けて里香は
二階の自分の部屋にまっすぐに向かった。
「変な子ね~まっすぐ自分の部屋に行くなんて。
いつもはお腹空いた~ってキッチンに来るのに?」
母親の心配をよそに里香は自分の部屋で携帯を持つと「ミステリー赤井順」で検索した。
すると「ミステリー赤井順小説投稿サイト」が携帯画面に出てきた。
そこにはミステリー小説家「赤井順」の輝かしい
履歴が載っていた。
ミステリープレミアム大賞受賞 短編ミステリー賞受賞 今年一番ミステリー賞受賞と書いてあった。
でも、里香は一つ疑問に思った。
「何で受賞した年代は書いてないのだろう?でも これだけ受賞した作家さんなんだからきっと、
私を有名作家にしてくれるにちがいない。」
里香は「ミステリー赤井順小説投稿サイト」に
住所や名前など記入して登録した。
するとまた携帯の画面が切り替わった。
テレビ通話もしていない携帯電話だったにも関わらず、赤井順が携帯画面に映った。
そして里香に話を始めた。
「やあ里香ちゃんやっぱり君は登録してくれると
思ったよ。明日学校の帰りに書類を君に渡すから
帰宅の時間に学校の門のところで待っているからね
土日どこで何時に場所はどこで小説の勉強をするのか全て書いてあるからいつから勉強するのかとか
もね」赤井順は里香にそう話した。
「そこで小説の勉強しながら僕の投稿サイトの
コンテストに応募してごらん。君には素晴らしい
才能がある。私にはわかる君の目はとても綺麗で
輝いている」赤井順は里香にそう言った。
里香は
「本当ですか?私、お母さんにもサイトの事を
話して来ます」そう言ってキッチンにいる母親の
舞に近寄り
「お母さん、お母さん私……」
「ミステリー赤井順小説サイト」に登録して入ったから、月1000円で小説の書き方を教えてくれる
みたい明日学校近くで書類を渡してくれるって」
里香は嬉しくて母親の舞に話をしたそして
「赤井順さん今喋ってるんだけどさ~この人なんだけど有名なミステリー作家なんだって~」
里香は今喋ってる「赤井順」の画面の携帯を母親の舞に見せた
すると里香には思いもよらない言葉が母親の舞から返ってきた。
「赤井順ってこの携帯画面いつもの里香が好きな
俳優の田口圭じゃない。ホーム画面で誰も喋って
ないわよ。変な子ね?」
里香は慌ててもう一度携帯画面を見た。
そこには確かに赤井順が話をしている。
「お母さんですね?この度はお嬢様の里香様が
私のサイトに登録してくださいました。
月々1000円なので宜しくお願いします」
確かに母の舞に携帯画面の中で話しかけていた。
「お母さんきちんと聞いてあげてよ。赤井順さんの話し、私がサイト登録したって話し」
里香の母親は言った。
「何言ってるの?どうしたの里香?田口圭の
ホーム画面でしょう?」
里香は何度も携帯を見た。そこには確かに
「赤井順」が映っている。そして話していた。
いったいこれは?どういうことなのか?
その時、里香のすぐ側まで恐怖は少しづつ
忍び寄っていた……。
次の日から友達との関係までこのサイトのせいで
おかしくなっていくことになる。。。
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