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細井高等学校
里香は次の日いつものように「細井高等学校」に
向かっていた。いつもの通学路で友人の桃子と
七海に「おはよう」そう声を掛ける。
何も変わらない一日が今日も始まる里香は
そう思っていた。
「里香おはよう」「桃子おはよう」
「おはよう里香~今度はどんな小説書くつもり
なの?書いたら応募する前にまた私達に見せて
よね」
「それがさ~アイデアが浮かばなくてさ~」
「そうなんだ~頑張ってね。佐久間美子よりも
里香の方が絶対小説家になるべきだよ。
あの子みたいに人の小説を覗いて応募する人には
小説家になってほしくないわ」
「でも、私の小説を真似たわけじゃないしね」
里香はそう言った。
七海は言った。
「そうかな~❓️だって里香の携帯しょっちゅう
覗いてたし、やたら今度はどんな小説書くの?とか聞いていたしね?真似したところもあるんじゃないの?」
里香は二人に話した。
「私、昨日家に帰ってから考えたんだけどね。」
二人は
「なに、なに❓️」そう言って興味深々で里香の
顔を覗き込んだ。
「ミステリー赤井順投稿サイトに登録したんだ。
昨日赤井順は誰でも登録すれば小説家にして
くれるって言ってたし。費用も毎月1000円で安いし、今日ね学校終わったら門のところで書類を
私に渡してくれるって。
その書類にどこで小説の勉強するのか詳しく書いてあるらしいよ?」
桃子と七海は里香の顔を不思議そうに覗いた。
そして二人は言った。
「誰❓️赤井順って❓️投稿サイトって何の事❓️」
里香は
「何❓️朝から冗談❓️」そう言って笑ったが
桃子と七海はきょとんとした目をしていた。
「本当に覚えてないの?佐久間美子の記者会見の後テレビのスイッチを抜いてもテレビがついていた事いきなり画面に赤井順って言う男の人が映った事。ミステリー赤井順で検索してほしいと赤井順が
言った事。
クラスメイト全員の携帯にQRコードやアドレスが赤井順から送られてきた事。」
昨日起きた赤井順の事を全て始めから里香は話した。
そして、桃子と七海が
「いくら小説家になりたくてもそんな怪しい詐欺
みたいなサイトに登録しては駄目だよ」って言って心配してくれた話も里香は二人に一生懸命話した。
その話を聞いても二人は口を揃えてこう言った。
「どうしたの?疲れてるんじゃないの?」
「赤井順って誰❓️」
「赤井順なんて知らない……」
そう里香に話した。
二人は話を続けた。
「佐久間美子の記者会見の最後、佐久間美子が
次は雑誌のインタビューが……とか言った時、
急にテレビが砂嵐になっちゃって映らなくなって
テレビを叩いたりしてたじゃない。
その後クラスメイトの携帯がいっせいに
通じなくなって電波障害❓️嘘でしょう⁉️って騒いでいただけじゃない。
先生も携帯が壊れた~って言ってただけだよ❓️」
里香はもう一度聞いた。
「本当に赤井順の事知らないの?」
二人は
「聞いたこともない」
そう言った。
里香は
「ごめん。私、先に学校行くね」
里香は学校に急いだ。そして「細井高等学校一年B組」の教室に入った。
里香はクラスメイトに次々赤井順の事を聞いた。
それでも誰一人
「赤井順」の事を知ってる人はいなかった。
「これはどういう事❓️」そんな事を考えていると
里香は隣のクラスの「吉本洋子」に声を掛けられた。
「もしかして、赤井順投稿サイトに登録した❓️」
「私、隣のクラスの吉本洋子と言います。
私も赤井順の投稿サイトに登録したんです。
赤井順の事を覚えているのは登録した人だけみたいです。私も昨日の事をクラスメイトに話したけど
誰も知らないみたいです。
そのサイトはもしかしたら危険なサイトかもしれない。みんな忘れてしまうなんておかしいし……」
吉本洋子は綾瀬里香に言った。
里香は言った。
「じゃあ赤井順の事を覚えているのはもしかして
私達、二人だけって可能性もあるよね❓️
このサイトは本当に危険で危ないサイトだったのかもしれない。それでも私は小説家になれるのなら
何でもするつもり」そう話した。
そして何かあった時の為に
里香と洋子は互いの携帯電話番号を登録した。
何かあったらお互いに知らせるという約束も交わした。
吉本洋子は
「じゃあ私、教室に戻るね」そう言って隣の教室に
戻って行った。
その日は1日不思議な目でクラスメイトは里香の
顔をじっと見ていた。
そして、学校が終わると桃子と七海と一緒に里香は学校の門を出た。そこには「赤井順」が立って
いた。
桃子と七海は里香に言った。
「こちらの方は?」
「はじめまして桃ちゃん七ちゃん里香ちゃん。
赤井順と言う者でミステリー小説を書いています。
里香ちゃんに今日は用事があってね。
はいこれ里香ちゃん約束の書類だよ」
里香は書類を受け取った。
桃子と七海の顔はみるみるうちに青くなっていった。
二人は青い顔をして言った。
「な、何で私達の名前を知ってるの❓️里香が話した赤井順てあの人なんだね。」
桃子と七海は怖がっていた。
怖がっている二人を見ても里香は
「私は赤井順先生に小説の書き方を教わって
ミステリー小説家になるの。佐久間美子に負けない為には他に方法がないの」
里香は桃子と七海にそう話した。
赤井順に
「ありがとうございます」里香は書類の御礼を言おうと赤井順の方をもう一度見る為横を向いた。
でもそこにはもう、さっきまで立っていた赤井順の
姿はなかった。
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