10人が本棚に入れています
本棚に追加
「お、俺ですか?」
他人事のように聞いていたら、突然矛先が俺に向いてしまった。
「あ、そうだ。華澄ちゃん、風太くんを連れて先月分の請求書取りに行ってきて」
「分かりました...風太、行こ」
「お、おう...」
「もう...美華さんしつこすぎ...。こないだも風太が面接に来たあとに聞いてきたくせに...」
ぶつぶつ文句を言いながら、華澄は先月分の請求書を探していた。
「でも、美華さんには感謝してる...だって、風太のこと採用してくれて、アタシと同じ部署にしてくれたから...」
華澄はこちらに振り向き、嬉しそうに話した。
大学の頃から思ってたけど、可愛い...。
「俺としても、この会社で続けることができれば、ありがたい話だな」
「風太なら大丈夫! だって、アタシはこの会社で1年働いたけど、この会社が好きだから。美華さんは優しいし、亜美ちゃんは良い子だし、アタシは風太のためになるように頑張るから!」
華澄って、マジで良い子だよな...。俺、大学の頃に付き合えばよかったのに、当時付き合ってた子がいたからな...。
最初のコメントを投稿しよう!