1人が本棚に入れています
本棚に追加
「今どこにいますか?」
1番そう言いたい相手は、中学校時代の同級生 中村君だ。
僕は、プロ野球選手として日々頑張っている。
自分で言うのもなんだが、日本で5本の指に入るほどの名プレイヤーだ。
……全て中村君のおかげなんだよな。
プロ野球選手として活躍できている事も、かわいい奥さんと日々楽しい生活を送れているのも、年間ホームラン数の記録を6年ぶりに更新できたことも。
中村君がいなければ、そんな僕はおそらくいない。あの日、中村君が野球部に誘ってくれたから、僕は野球部に入部する事になり、これまで野球を続けてこられた。
中村君に声を掛けられてなければ僕は卓球部に入部しようとしていた。卓球部に入っていたら入っていたで違う人生が待っていたかも知れないけれど、
僕は、他の人生が、今の人生の幸せを超える事はできないと思っている。
だから、一言 お礼が言いたい。
「中村君。君は、今どこにいますか?」
中学時代の同級生を頼ってみたが、分からないと言われた。それもそうか、中学を卒業して約10年が経っている。頻繁に連絡取っていた相手とかでなければ、同級生だとはいえ簡単に会うことはできない。
「中村君、僕です」
「もし、僕の事を覚えていてくれたら、1度連絡をください。その時は、焼肉でも寿司でも何でも好きなものを奢ります。どうか、連絡ください」
そうテレビ局に協力してもらい、呼びかけを行ったが、反応はなかった。
活躍し続けていれば、いつか会えるかもしれない。なんて思って、今日も練習を頑張るのです。
最初のコメントを投稿しよう!