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「おはようございます、ノヴァ様。今日もお目覚めが早いですね?」
「ああ……あの娘が今度は何を仕出かすか分からないからな。落ち落ち寝坊も出来ん」
不機嫌そうに頭をかきながら執務室にやって来たノヴァがぼやく。
キャッキャとメイドの魔族たちと楽しそうに遊んでいるカノンを恨めしそうに睨みながら。
王女の衝撃的な発言を聞いた後、
「……とりあえず、コレは転移元に戻しておこうと思う」
「貴方にしては、妥当な判断だと思います」
と珍しく二人の意見が一致したのだが、それを聞いたカノンが大泣きした為、他の配下たちが集まってきてしまったのだ。
年端もいかぬ少女を誘拐しただけでは飽き足らず、酷く泣かした、一体何やりやがったんだ、このロリコン野郎が、という視線で、特に女性魔族たちに言葉なく責められた為、カノンを返品する雰囲気ではなくなり、この状況が一週間程続いていた。
寝坊常習犯なノヴァだが、彼女が来てからは規則正しい生活が続いている。というのも、この王女、すぐに好奇心に任せて世界崩壊規模のやらかしをする為、目が離せないのだ。
この間は、大昔に封じた危険なモンスターを解放しようとした。
その前は、見たら災いが降り注ぐ書物を開こうとした。
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