征服してください、魔王様!

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 ノヴァは口を閉ざした。  迷いを見せるカノンの視線を真っすぐ受け止めながら。  しばしの間の後―― 「じ、実は……お、おとう、さま、が……お父様が……」  少女の唇が震えながら、言葉を紡ぎだす。しかしすぐさま、喉の奥から溢れ出た嗚咽が言葉を奪ってしまった。  しかしノヴァは続きを促す事もせず、大きな声を上げ涙を流す少女を、ただそっと抱きしめた。
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