カメルーン旋風

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「法学部卒業論文ないって本当かな?」彼は話した。 「どうやら本当らしい」 「でもオレは法学部に入れなかったからな」 「法学部に入っても文学は学べるのか?」 「その気になれば学べるよ」 「そんなものかね」友人は答えた。 「話はかわるがワールドカップのカメルーンは強かったな」 「イタリア大会のイングランドはもっと強かった」 「サッカーしたいの?」彼は友人にたずねた。 「最近はあまりしたいとは思わないな」 「体力使うからね」 「オレなんか高校生の頃の方が体力あったような気がする」  そんなことを話して彼は友人と笑い合った。 「ワールドカップはドイツが優勝しそうだな」 「そう思う?」 「アルゼンチン優勝したらなんかおごるよ」 「聞いたぞ」 「確かに言った」 「寿司でもおごろうか?」 「ラーメンでいい」 「本気か?」 「本気だ」 「それならかけてもいいな」  そのあと日差しは強かったが真夏の猛暑日のぶり返しのようでいて、まだ真夏にはなっていなかった。  そこを彼は二人で歩いていた。  するとサッカー部員の小沼が姿を後ろを追いかけてきた。 「サッカーはいいが君たちどうしてサッカー部に入らなかったの?」 「あまりうまくないから」彼は答えた。 「オレもそんなにうまくないよ」小沼は言った。 「君はうまくなかったら誰がうまいんだ」友人は言った。 「誰だろな」小沼は答えた。
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