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「わかったぞ。それはずばり釜本さんだな」彼は言った。
「あの人はうまいよ」小沼は答えた。
「あの人引退してから日本のサッカーつまらなくなったね」彼は話した。
「そうなんだよな。高校サッカーとかは面白いけどな」小沼は困ったような顔をして言った。
「高校サッカーが頂点の国ってどういうの」
「それがオレにもわからないんだよ」
「わからないのか」
「わからない」彼は気が付くと小沼はサッカースパイクを持っていた。サッカースパイクを持ってどうするのかと彼は思っていたら、「このスパイク底を交換しようと思っているんだ。よく見るとスパイクシューズの底は減っていた。
「アシックスのスパイクの底を交換するの?」
「そこなんだよ」
「何じゃ」と彼は友達と一緒に小沼を笑った。
「イワタヤに行くんだ」
「新宿の?」
「そうなんだよ」
「新宿のイワタヤにスパイクの底を直してもらいに行くのね」彼は小沼の顔を見た。
「そうなんだ。これから」
「イワタヤなんて今やっていたかな」
「どうだろう」
「そこらへんで直してもらうよ」
「まさか普通の紳士靴の修理に出したらだめだぞ」
「当たり前だよ」
「まさかイトーヨーカドーとかに行くんじゃないだろうな?」
「ずばりそのとおり。イトーヨーカドーに行く」
「ばかか?」彼は笑った。
「イワタヤってどうなったの?」友人はたずねてきた。
「どうなったのかな。最近聞かないな」彼は答えた。
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