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眼鏡を外す
考えたくない事が増えたな?
ボンヤリとそんなことを考えて居る風を装うのが妙に上手いんだ。
余りにも瞳にチカラが宿って居る為か、彼は殊更?意外にも良くモテた。
そんな事はどうでも良くって
と当の本人はポッケに手を突っ込みながら、ボトムスのズボンを、サマになる様に着こなしていた。
友達が居なくてね?殆どいないと言ってイイ。
そう、口元を歪めて彼は優しく、だが、皮肉に嗤う。その奇妙なアンバランスさが殊更、人に奇異に映る。
答えにならないね?
彼はそう云いながら、面白いモノが、目の前にある事に気づいたのだ。
…それはツマらんな?訝しげに彼を遠ざける。
何を云う?面白いだろう?
詰め寄る彼に対して、僕は冷めていた。
知らないねぇ?そんな事はどうでも良かった。
彼は、犯罪事件の報道を見て、偉く興奮したと言う。
その事件は起こさなければならなかった?のか、どうなのか、当時の事件記録には、黒塗りの部分が多いし、理解に苦しむ為、そう言う彼の目は、怖くて、賛同し難い。
それは、本当に正しいのか?君の気持ちではないか?お前、キモい。そんなに勝ちたいんですか?
最高裁は、彼等を愛くるしいと思うので、見苦しい言い訳にしか聞き取れず、こう言う弱い人間を痛ぶって犯行に及ぶ彼の動中に一体何があったのか、彼は面倒を見る事、介護的な意味合いに置いて、寝食すら奪われて、過酷労働させられて、正常な判断がつかないほど、異常な精神状態の中で、倫理観が抹殺されていった最中の犯行であり、弁護士として、彼を擁護する責務を感じていた。
介護職の離職率が昨年、厚生労働省の調べで約六万三千人の減少が見られたと言う。給料にも六万円の減少傾向が見られた。
飲食、宿泊業、卸売、小売業、製造業に転職する人が目立つと、日経に指摘されていた。
私は現場を直で見ている方の、証言記録をインタビューしていて、働いて居る方の心労を、痛い程わかって居る。
その問題に、どんなに現場の惨状が酷いのか、彼はその点を憂慮して欲しいと申し付け、第二審は終わった。
今後は、被告の心身耗弱の度合いが審理される事になると、別の事件だが、京アニの問題が載っていて、関心を持っていた事件だけに、動向が気になっていた。
私は、多分、誰の気持ちもわからない。
ただ、それぞれの言い分がある事だけしか、其々の立場があって、理由があった。
その当事者の心労は、知識では、理解が及ばず、またそれは当事者にしか、その辛苦はわからない。
歯痒さが残る。
私がそうなったかもしれない事件の涙だったからである。
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