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【episode1 - 栗色の瞳】
ハルくんは透けるように白い肌。
長い手足に細身の身体。
そして、何よりも栗色の美しい瞳を持った男の子だった。
出逢いは彼が5歳、私が3歳の時である。
引っ込み思案で友達の家に遊びに行くのが苦手な私に、いつも優しく寄り添ってくれたのがハルくんだった。
時にはお飯事をし、時には庭の花を愛でる。
ハルくんは、そんな柔らかな時間を共に過ごせる、とても大切な友達だ。
ある日、アスファルトの道路で転び、膝小僧を派手に擦り剥いてしまったことがあった。
そんな時には、私の家で絵本の読み聞かせをしてくれた。
それでも私が泣き止まない時には、番傘を片手にハンサムな顔を歪めて、私の祖父と舞踊り戯けて見せてくれたのである。
彼は心も姿も天使のような男の子。
ハルくんは1番大切な友達であり、私の初恋の人だった。
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