運命のつがいと初恋 ③

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「あ、……あっ」 「ここ、気持ちいい?」 舌で胸の先をいじられ、甘ったるい声が漏れ出る。  意識したことがなかったところなのに、舐められ吸い付かれると身体が震える。  どうしよう、尻の奥が濡れていく。  平坦で魅力があるように思えないそこを東園は熱心に舐めあげ、声を上げる陽向にまた「気持ちがいい?」と聞く。 「う、うん、」 「そうなんだ。こっちも?」  舐められていなかった方に唇が移り、代わりに濡れて敏感になった先をきゅっと指でつままれてびくんと腰が揺れた。 「や、もう、やめて、んっ」  執拗に胸を舐められ、それだけではなく陽向の下肢に乗った東園の腹が、陽向の勃ち上がった先を潰すようにように動く。  胸を舐められただけで反応している自分が無性に恥ずかしく陽向の目に涙が浮かぶ。  みんなこんな感じなのだろうか。  自分は普通なのだろうか。  陽向は確かに止めてと言ったのに、東園は止めてくれない。  逃げたくて東園を引き剥がそうとするが、逆に手をベッドに押しつけられ、東園はまた深く口づけてきた。  口のなかを舐められるととろんと気持ちが溶けて脱力していく。  力の抜けた陽向の手首から離れた東園の指が、陽向の指に絡みぎゅっと握りしめる。 「止めた方がいい?」 「……身体が、へん」 「そりゃあまあ、みんな変になるだろ。俺もだし」  ほら、と太ももに東園の腰が押しつけられ陽向がひゅっと息をのんだ。  熱を帯びたそこは陽向と同じく硬い。  みんなそうなるなら、とちょっと安堵して真上の東園に抱きついた。  みんなそうなら東園だって分かるだろう、密着した身体に勃起したそこを押しつけると死ぬほど気持ちいいのだ。  早く触りたいんだけどさすがに他人の目前で自慰は出来ない。ぐりぐりと押しつけてほうと息をつくと今度は東園の喉がぐっとおかしな音を立てた。 「陽向、腰ちょっとあげて」  言うとおりにすると東園は陽向の下肢に纏うすべてを引き脱がした。  薄布だけどなくなるとひやっとして心許ない。触られたくて疼いているそこを見られるのが恥ずかしく、なるだけ見えないように膝頭を合わせる。 「真っ暗にしてよ」 「駄目、顔が見えないと心配だから」  即答した東園は答えながら陽向の膝を割り左右に大きく開いた。  陽向のそこをじっと眺め、顔を寄せると「陽向の」と呟き先端を舐めジュッと音を立て吸った。ぎゃっと叫びそうになるのをぐっと飲みこんで「止めて」と震えた声で訴えた。
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