運命のつがいと初恋 ④

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 ベッドから飛び出し背広をハンガーに掛けていた東園の背中に抱きついた。  早く帰ってきたと言っていた。温かい背中に顔を押しつけ東園を感じる。陽向のために帰ってきてくれてのかと思うと単純に嬉しく思う。 「待てないよ。そのままでいい」 「おお、そうか。うーん、でも汗臭いかもしれないから」 「そんなの気にならない」  ネクタイを引き抜いて放り投げると振り返った東園がふっと微笑んだ。 「じゃあ一緒に行くか」 「え、……ひゃっ」  よいしょと陽向を横抱きにした東園が「バスルームまで」と陽向の額にキスを落とした。近くにある東園の首に巻き付き深く息を吸う。  はあ、いい香り。  最近は一緒に寝てるから東園の匂いはちゃんと知っているつもりだけど、今日はいつもの匂いじゃないと思う。  いつもよりねっとりした強い香り。粘膜に絡みついて身体を熱くするαの匂い。  発情期だからそう感じるのか、発情期のΩが近くにいるからαのフェロモンが溢れているのか。  前の発情期で東園が近くに来たけれど、その時はこんな匂いしていなかったような。  とんとんと階段を降りていく東園に陽向は小柄だけど重くはないのかなと思う。最近たくさん食べてるのに。  危なげなく脱衣所まで運ばれた陽向はあれよあれよという間に脱がされた。  発情期だからしょうがないけれど皮膚感覚が鋭敏になっていて衣類が肌を滑るだけで陽向はあっと声を上げてしまう。  性器も乳首もすっかり勃ちあがり、普段なら相当に恥ずかしく思う姿だが今はそんなことどうでも良かった。  ひやっとした感触には息が荒くなる。  少しも離れたくなくて東園に巻き付く。  そんな陽向に東園は何度もキスを与えてくれる。東園もどうにか衣服を脱ぎ、二人は絡まるようにして浴室へ入った。  シャワーを浴びながら思う存分キスをする。何度も角度を変え舌を絡める。頭の上から降ってくるシャワーで髪から顔、身体まですっかり濡れてしまっているがそんなことに構う余裕は無い。  陽向は欲しいだけ求め、東園はそれにきっちり応えてくれる。  キスももっとしていたいけど、それだけでは身体のさみしさが埋まらない。  今すぐ、東園が欲しい。奥の奥まで東園でいっぱいにして欲しい。 「もう欲しい」  唇を離して東園を見上げるとふうと大きく息をついたあと東園は陽向を強く抱きしめた。 「上でな」 いやだと言うつもりだったけれど唇が重なり言えなかった。
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