運命のつがいと初恋 ②

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 クリスマス前の休日。  郊外のショッピングモールは大盛況だ。  きっと混み合うだろうと予想していたので、休日にしては早起きして家を出てきた。    しかし立体駐車場の空きがなかなか見つからず、屋上の端に一つ空きを見つけたときには陽向と凛子から歓声が上がった。  屋上からエレベーターで一階に着き、開いたドアの向こうに出来ていたエレベーター待ちの列を見て、東園は凛子を抱き上げた。  エレベーターホールから中央へ出ると広い空間に大きなクリスマスツリーが飾られていた。吹き抜けの広場に置かれたツリーは二階に届く高さで驚いた。 「おっきいね」 「うん、クリスマスツリー大きいね」  東園に抱かれた凛子は先に見えるクリスマスツリーに釘付けだ。  人が多いせいか今は大人しく抱かれている凛子だが慣れてくるときっと歩きたがる。  その前にキャラクターの付いた幼児用のカートを手に入れたい所だが、エレベーターホールにあったカート置き場には一つも残っていなかった。  近づいてみるとツリーの周りにプレゼント型のベンチがたくさん置いてあり、子どもを座らせてジュースを飲ませている家族連れもあれば写真を撮っている若い女の子グループもいた。 「とりあえず、おもちゃ屋さんに行こうか」  昨夜、東園と店舗地図を確認したのでだいたいの位置は分かっている。  カート探しついでに目的地方面へ向かっているのだが、両端に並んだそれぞれの店舗でクリスマスの飾り付けがしてあり華やかで目を奪われる。  今日はクリスマスツリー選びがメインだけど凛子が欲しいおもちゃを確認するミッションもある。  上手くいけば陽向と凛子がお茶でもしている間に東園が戻って購入する流れだ。それもこれも凛子の機嫌次第だが。  店舗地図から目的のおもちゃ屋さんの敷地が広いのは知っていたのだけれど、実際の間口の広さを目の当たりにすると圧倒されるものがある。 「わ、りんちゃん恐竜だよ」 「はああ、しゅごいね」  防犯ゲートを通り抜けると入り口付近に、ティラノサウルスのレプリカがあり、天井にはプテラノドンの小型模型がつるしてある。  入店したらまず目に入るので周囲には小さい子が集まって賑やかだ。  凛子があれと指し東園がちょっとだけだぞと近づくと、ティラノサウルスはぐああと口を大きく開いた。怖がるかと思ったが凛子はキャッキャと笑い声を上げた。 「あ、陽向あっちにあるぞ」 ティラノサウルスを触ろうとする凛子を抱き変えながら東園が右を指した。東園の指す一角にクリスマスツリーが並んで展示されている。  揃って歩き出そうとすると凛子はまだティラノサウルスを見ていたかったらしく、いやあと暴れ出した。
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