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「陽向、これは……、発情期だろう。匂いがすごい。薬、飲んだ方がいいんじゃないのか」
「ま、毎日飲んでるっ。こんなの、こんなのっ、今まで、なったことない」
「近付いてもいいか? 俺なら心配ない。緊急用の抑制剤を服用したから」
「やめて、本当にっ。お願いだから、出て行って、」
どうしたらいいのか分からない。身体が熱くて、渦巻くような性欲に飲み込まれてしましそうだ。今まで、医者はなんて言っていただろう、発情期の時は、発情期の時は。
「放っておけないよ。なにか出来ることはないか」
東園の声も焦りを帯びている。
α用の抑制剤を飲んでいると言っていたがΩの発情期ってαにとっても耐えがたいものなんじゃないか。
どうしよう、日常的に服用している抑制剤はあるけれど一日一度と決められているし、毎日欠かさず飲んでいるのに発情したのだからそもそも効かない気がする。
「あ、きゅ、救急車、そういえばΩ、用の救急車みたいなのがあるって、前に聞いたっ、救急車呼んでっ」
「……分かった。すぐ番号を探すから待ってろ」
東園が去ったあと、陽向は破裂しそうな前に手を伸ばした。もうどうしようもないのだ、触らないと気が狂いそうで。
自分の家でもないのに、本当に情けない。
唇を噛みしめ前を握るとその感触でまた達した。なのに、なのにまだ陽向の前は硬くとうとう涙が溢れてきた。
「うっ、う、」
どうして、今まで本当にちゃんと抑えられてたのに。
後ろも疼くけれどどうしていいか分からない。ヒクヒクと蠢く中心をそろっと触ってみると周りがじっとり濡れている。前から伝ったからだと思っていたのに後ろの中心を指がかすめたその時、中心からとろりと零れだした。
確かに聞いていたけれど、尻が本当に濡れるんだなと陽向は少なからずショックを受けた。
ずっと自分はΩだったはずなのに今本当にΩになってしまった。
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