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「レフィ……」  重ねられる手と手を握りあって、二人は何度も上と下を交代しながら身体を擦り付け合った。いつもと違うのは二人が同じように求めて、与えることにためらいがないこと。 「レフィ、積極的だな」 「だって……気持ちがいいんだ」  泣きたいくらいに気持ちがいい。 「うん、レフィ涙が……」 「嬉しくて……」  目尻にも瞼にも、鼻先にもエルネストは口づけた。 「そこじゃないでしょ? エルネスト……」 「恋人の口づけをしてもいい?」  いつも強引に奪うくせに懇願するようにエルネストが訊ねた。 「うん、して――」  ソッと唇が触れ合うだけの口づけを三度繰り返して、エルネストは深く口づけた。 「レフィ……」 「エルネスト、愛してます。僕を番にしてください――」  レフィはエルネストを待っていた時、ずっとこんな風に番になると信じていた。 「レフィ、愛しい番。私の全てを捧げよう」  エルネストは、本当にレフィに全てを捧げて生きてきた。 「ありがとう、エルネスト兄様……」  ずっと待っていた自分が報われたような気がした。 「レフィ、抱いていいか?」 「ん……抱いて……」  エルネストの声は情欲を必死で抑えているように聞こえた。レフィの了解を得た後は、レフィの服を脱がせていく。 「エルネスト、俺も脱がせていい?」 「ああ、頼む」  指先でエルネストの服のボタンを一つずつ外していく。 「あ、駄目っ。まだ脱がせてないのに――」  エルネストは自分の服をレフィに任せて、早速レフィの身体を拓きはじめた。 「レフィ、指先一つでこんなに呼吸を乱すなんて……」 「だって、胸をこんな風にしたのは。エルネストじゃないか――」  指先でカリカリ掻かれるだけで、身体はエルネストのために準備を始めてしまう。 「真っ赤になって可愛い」  頬が熱くて、指先も震えてボタンがうまく外せない。 「ボタンが……」 「焦らして悪い子だ――」 「ヒッ! あ……駄目っもう自分で脱いで」  ペロッと舐められてレフィは降参した。 「レフィ、最後まで諦めないことが大事なんだよ……」 「エルネストが悪戯しなかったらできるんだよっ」  胸に吸い付かれて、レフィは袖のボタンを引きちぎってエルネストの頭を抱きしめた。 「レフィ……。君はワイルドだな」 「もうっ」  ボタンはもういらないとレフィは放り投げた。  エルネストは、笑いながら自分の服を脱ぐと、レフィの身体を横たえた。 「綺麗な身体だ。シミ一つない――」  指先に口づけて、エルネストは感嘆の声を上げる。 「もっと筋肉が欲しい――」 「なら運動しないと。そうだな。足の筋肉をつけるのに騎乗位なんていいと思うが」  エルネストはレフィの足を抱えて、太ももに口づけた。 「あ……そういうんじゃ……。馬鹿……」  口では否定しながらもレフィの中はエルネストの訪れを待っている。  「レフィの身体が蕩けている。指なんて……」  密かな穴は、待ちわびていたようにエルネストの指を飲み込んでいく。レフィは身を捩りながら首を振った。 「あっ、う……ンッ」  小さな刺激でもレフィの身体はあまさず甘受する。一本、二本、三本とエルネストが確認するようにして増やしても悦ぶだけだった。 「三本挿れても平気そうだね」  エルネストは嬉しそうに中で指を開いて捻った。 「嫌っ……」  ビクビクと身体を震わせ、レフィは泣き言をもらした。 「レフィ痛かった?」 「違う、もう指じゃなくてエルネストが欲しい――」 「でもまだ」  こんなに求めているのにエルネストはレフィとつながりたいと思わないのだろうか。  レフィは、見えない目で睨んで文句を言った。 「これ以上待たせるつもりなの?」 「レフィは我慢が足りないな……」  レフィは足でエルネストの腰を挟んだ。 「我慢なんてしないっ、もう、俺はあんたのものなんだからな」 「そうだね。レフィ、私もだ。無駄に我慢するのは止めよう」  エルネストのそれは凶器のようだ。解れて潤っているそこにクチュンッと水音をさせて、切っ先が沈んだ。 「んぅくっ……あ……うっ!」  エルネストの腕に爪先を立て、レフィは大きく息を吸った。 「愛してる――」 「ん、俺もっ大好き、にぃ様――」 「レフィ!」  舌足らずにエルネストを呼んだ瞬間、レフィは奥まで一気に挿ってきたエルネストにしがみついて白濁をエルネストの胸に飛ばした。飛んだ精液をエルネストはレフィになすりつけ、下腹を撫でる。 「沢山注ぐ――。全部飲んで?」  ガクガクと身体を震わせて達ったレフィにエルネストは告げる。 「あ……エルネストっ、ヒィ――ッ! あ……んっ……」  身体を縮めるレフィを抱き上げてエルネストは下から突き上げた。 「もっと抱きついて――」 「エルネスト、これ怖いっ、お腹が破れそう」  痛みは感じないけれど、お腹の中が一杯なっている感覚にレフィは慄いた。レフィの分泌する愛液がエルネストを手助けしていなかったら、動くこともできないくらいにみっちりと塞がっている。 「大丈夫、レフィ。少しずつ中が拓いていく……」  気持ちがいいのかエルネストの声は、甘くレフィに訴えた。  規律正しくレフィの身体が上下に揺れる。 「やぁああぁん! トントンてしちゃ駄目、また達く――」 「奥が好きなんだな、レフィ――」  レフィが頭を振ると涙が散った。 「レフィ――んっあ……」  中の収縮が激しくなり、エルネストは堪えきれずレフィの中に子種を注いだ。 「あああぁぁぁん」  レフィの動きを封じるようにエルネストは背中に手を回して、ギュッと抱きしめた。動けないレフィは、小さく身震いをしながら熱い奔流を受け止める。エルネストの精液を飲み干すようにレフィの中は蠢いた。奥にじんわりと広がる熱に浮かされるようにして、レフィは気を失った。
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