53. 2024/冬の星屑(140字小説)

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53. 2024/冬の星屑(140字小説)

➀いつ頃からか「好みのタイプは、心の広い人」と答えるようになった。友だちは不服そうだったけれど。だってうっかり言えば、翌週には髪型や服装が変わる同級生がいたからね。でもそれが功を奏して、寝坊しても肉じゃがを焦がしても、笑って許してくれる人と一緒にいます。 友だちに賀状で知らせる春。 ②7時間。君の町にもあるチョコレートを手に電車と飛行機を乗り継ぐ。僕らを隔てる空間は簡単に繋がるけれどとても広い。到着してすぐさまコートを脱げば、強い海風にくしゃみがでた。君の部屋のガジュマルは、初めての雪に震えるだろうか。僕が気温差20度の暖かい町で風邪をひけば、君は笑うのかな。
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