第一章 お手伝いの麗花さん

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……ハッとした。 ここで学んだことだった。 ある限り奪おうとするここ流に贖うために学んだここ流のはずだった。 僕自身が何の疑いも無くいたのかといえば、そうではなかった。 変だと思っていた。 でも、それを、ここの奴らに対する僕の、僕のされてきたことへの返礼だと思って生活してきた。 それが、正しいのか間違っているのか、疑わないようにしていた。 それは、ここで味わった理不尽を、それとは全く関係のない者に振るう単なる狭窄した間違った復讐だった。
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