嫌なやつ ☆

1/1
前へ
/38ページ
次へ

嫌なやつ ☆

嫌がらせが始まったのはいつからだろうか。 遠い昔のように感じる。 物を隠す、悪口を言う、嘲り笑う、叩く、蹴る。 全ての事を言い連ねればキリがない。 話し方がキモイと言われれば、気持ち悪くならないように心がけた。 笑い方が気持ち悪いと言われれば、面白くても笑わないようにした。 泣き方がウザイと言われれば、どんなに悲しくても悔しくても泣かないようにした。 容姿が醜いと言われれば、髪を伸ばし人の目線に映る事を避けるようにした。 どう足掻いても、頼んでも嫌がらせが減ることは無かった。 むしろ、周りを巻き込んで増長した。 いったい、何をしたって言うのだろう。 家族にも言えない、友達なんかもっと居ない。 この世界に居場所なんてあるのだろうか。 明日は……明後日は……明明後日は…… 何をされ、いわれるのだろうか。 神様が居るとすれば、そちらに連れて行ってください。 決して甘くない粒をひとつ、またひとつと増やしていく。 それでも連れて行ってはくださらない。 まだこの存在意義のない世界に生きろというのか。 さぁ、もう少しだけ粒を増やそう。 でも、きっと、明日も目覚めるのだろう。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加