空を見上げたとき ★

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空を見上げたとき ★

一定のリズムを刻む線。 一定のリズムを刻む音。 ゆっくり上がり、パタンと落ちたそれ()は、 次に動く事はなかった。 その空虚な目は何を見てる? その耳に届いて、 その肌に触れているものがわかるだろうか。 カサついた唇が何かを伝えてくれるが、それすらも分からない。 何を考えてる? 教えてほしい。 あなたの名を呼ぶ、両親の声は聴こえてる? あなたに触れ、撫でる両親の温もりはわかる? 1度、大きく息を吸った。 それと同時に一定のリズムを刻んでた線と音が、 真っ直ぐの一本線と音を作り出した。 いつかちゃんと、外を歩きたい。 空を見上げて眩しい太陽を体いっぱいに受け止めたい。 そう伝えたあなたは、今頃叶えてますか。 あと少しだけ、あと数分だけ待っていてくれたら… そうしたら、あなたは。
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