Second feel—サチ

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 どうやら、同窓会で演奏を頼みたいバンドのメンバーらしい。 「うん。うん。……うん、そうか。それじゃ仕方ないよな」  私は食器を洗いながら、不可抗力で聞き耳を立てていた。 「ハンバーグとサラダ上がったよ」  ナルが声をかけてきたので、声を潜めて聞いた。 「例のライブの件、コウヘイとは連絡ついたの?」 「え?ああ、いや、俺から連絡したけど返事が無くてさ。マサトが自分で頼む、って」  ナルは答えながら、冷蔵庫から次の注文のためにお肉を取り出しながら答えた。まだ13時を回ったところだから、まだまだハンバーグランチのオーダーが入るだろう。  コウヘイがイギリスに渡ってから3年。便りが無いのは元気な証拠、というやつだろうか。 「そうだな。じゃあ、日付が決まったらまた連絡するよ。その前に一度飯でも行こう。……ああ、わかった。ありがとな。また」  私がフォカッチャの入った皿もお盆に乗せてランチを運ぶと、ちょうどマサトが電話を終えたところだった。 「誰から?」  背中越しにそう聞きながら、カウンターテーブルにセットメニューを並べる。 「サトシさ。もう何年もドラム叩いて無いから、バンド出演はできないって。……当日は時間作って来てくれるらしいけどな」  残念そうにそう言いながら、彼はタバコの煙を吸い込んだ。 「そう簡単に、うまくいくわけないよな……」  マサトの様子を見て、私はたとえ気休めに聞こえてもいいと思って言った。 「そうかも、しれないけど。マサトがやろうとしてることって、すごくいいことだと思うよ。みんな……色々あるし、色々あったけど」そこまで言うと、彼がコーヒーを飲み終えるのを待ってから続ける。「……みんながみんな揃わなくたっていいじゃない。私は、旦那と子供も連れて見に行くよ」  私の言葉に、マサトは苦笑いした。 「同窓会なんだぜ。家族まで巻き込むなよ、サチ」
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