足音

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「さぁ。 もう辞めてんじゃない? キカタンで売れっ子ってわけでも無かったと思うし。 それに、AV女優なんか年に千人以上デビューすんだから、 それと同じ数だけ辞めていってんだよ」 「そうですか……」 じゃあ、もう彼女が何処でどうしているのか分からない もしかしたら、ナツキは知っているかもしれないけど、 知ってても、彼からは何も行動を起こさないだろう 「AV女優の賞味期限は短いし。 売れなかったら、余計に。 お前だって、一年後にこの世界に居るかどうか分からないだろ」 そう言えば、 成瀬の事務所と私との間に一応有る契約は、 一年間 その後は、続けるも辞めるも私が自由に決めていいのだと思っていたけど、 本当は、その一年後に私がAV女優としていらなかったら、 辞めて欲しい、と定めた期間なのかもしれない
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