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その、成瀬を起こす予定の7時迄、
ずっと起きていようと思っていたけど、
知らないうちに私は眠りに堕ちていた
私の体が持ち上げられて、
ベッドに寝かされるのが分かった
「――ごめん。
他の男から貰った指輪を嬉しそうに嵌めてるお前が、
許せなかった」
目を閉じていても、
声で成瀬だと分かる
夢うつつの頭で、それを聞いていた
「指輪無くしてへこんでるお前見て、悪いと思って。
同じ物用意すりゃあいいだろ、って思ってしたけど」
それは、あの時、指輪を無くして私が困っていた時の事だろうか
「今日のお前見てたら、同じ物ならいいわけじゃないよな」
“――弁償なんて、していらない!
あの指輪が大切なものなの――”
日暮君に言ったその言葉
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