足音

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「あ、広子ちゃん!ナースの格好似合う! 可愛い!!本当に白衣の天使みたい!」 そう必要以上に私を誉めてくれるのは、 コウジロウさん ヘアメイクと着替えを済ませスタジオに入って来た私に、 いの一番にそう声を掛けてくれた 今日のスタジオは建物自体が大きくて綺麗で、 更衣室やシャワールームは共同だけど、 メイクルーム兼の私の楽屋があった スタジオに着いて、 私は成瀬とコウジロウさんを含むいつもの撮影スタッフに声を掛けると、 メーカーとの契約書にサインをし、 シャワーを浴びて衣装に着替えた そして、楽屋で初音さんにヘアメイクを施して貰った 成瀬は、その時点で先に一人スタジオに行くと言っていたので、 今はスタジオの壁にもたれて腕を組んでいる こちらを、ちらりと一瞥すると、 何かを考えるように視線を床下に落としている
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