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第11章の登場人物
【東雲探偵事務所の《死刑執行人》】
◆雨宮深雪/男性/18歳/主人公
●東雲探偵事務所の《死刑執行人》。黒家に攫われた火澄を取り戻すため、第七陸軍特殊武装戦術群のメンバーと協力して《東京中華街》に潜入する。かつて《ウロボロス》の仲間だった紅神獄(本名:式部真澄)を助けようと奔走するものの叶わず、永遠の別れを告げることになる。
●経歴:《雨宮シリーズ》の六番。《レナトゥス》の器として生み出されたクローン体の一人だが、本人には何も真実を知らされず、普通の人間として育てられる。京極鷹臣に操られて《ウロボロス》を壊滅させてしまった過去を知り、京極鷹臣の野望を阻止するため《中立地帯の死神》の跡を継ぐことを決意する。
●性格:フワっとした見た目に反して頑固で、こうと決めたら譲らない面もある。《アラハバキ》の京極鷹臣とは《ウロボロス》時代からの因縁の相手。
●アニムス:《ランドマイン》……触れた物を爆発できる能力。触れて五分以内であれば爆発は有効だが、それ以上経つと無効になる。ただし爆破できるのは固形物のみ。
《レナトゥス》……アニムスを奪い、ゴーストを人間に戻す能力。
◆赤神流星/男性/27歳
●クセの強い東雲探偵事務所のメンバーをまとめる現場指揮官。赤い髪で黒のライダースーツを好んで着る。《進化兵》との戦いでアニムスを使い過ぎて生死の境をさ迷うが、最新型の《アニムス抑制剤》によって一命を取り留める。
●経歴:かつて関東警視庁の機動装甲隊に所属していたが、二年前のある日、十二名の仲間が突如として何者かに殺される。ただ一人生き残った流星はゴーストとなり、警官殺しの罪を着せられる。仲間の仇である月城を探し出して討つため《死刑執行人》となる。
●性格:正義感が強く、現場指揮官としての責任感が強い。ひょうひょうとしているが、決して自分の本心を人には曝さない。仇である月城のこととなると激情に駆られて我を忘れてしまう。長崎県出身でちゃんぽんが好き。
●アニムス:《レギオン》……黒ずくめのミリタリー装備をした影の巨人を操る能力。操ることのできるレギオンは全部で12体。かつて殺された機動装甲隊の人数と同じ。
◆東雲シロ/女性/14歳/不詳
●亜麻色の髪に獣耳がついた少女。濃紺色のセーラー服がお気に入りで、腰に日本刀の《狗狼丸》を下げている。首の後ろにバーコードと「46」という数字が刻まれている。
●経歴:遺伝子操作で生み出された戦闘生命体・《狗》。廃虚地帯を彷徨っていたところを竜ケ崎亜希たちに拾われるが、アニムスの暴走を繰り返すうちに《ニーズヘッグ》のメンバーとの間に軋轢を生じてしまう。チームを追い出されそうになったところを六道に《死刑執行人》にスカウトされる。
●性格:明るく人懐っこいが、ひどく寂しがり屋な面がある。人の命令を聞きやすいよう人を恋しがるよう性格づけられている。六道を信頼しており、深雪とは仲が良い。
●アニムス:《ビースト》……一時的に全身の能力を獣のように高める能力。感覚は鋭敏化し、運動能力も劇的に向上するが、我を忘れて相手を攻撃してしまう欠点もある。
◆オリヴィエ・ノア/男性/23歳/フランス出身
●臙色のキャソックを身にまとった黒衣の神父。長い金髪に碧眼で、端正な容姿をしている。己の半身であり、宿敵でもある《悪魔》を恐れつつも、ある種の執着を抱いている。両親の顔や、どのように死んだのかといった幼少期の記憶が欠けている。
●経歴:15年前、《悪魔》と呼ばれるの別人格がオリヴィエと肉体を別にして他者の体に寄生したところ、肉体が拒否反応を起こし、結果として史上最悪といわれるゴーストの大量虐殺を引き起こす。
●性格:慈悲深く、教会では孤児たちの世話をするほど面倒見が良いが、奈落がからむと毒舌になる。
●アニムス:《スティグマ》……己の血を自在に操る能力。血液を体外に放出して血液中の成分を変化させ、物質化させることも可能。《スティグマ》の血は他者にとっては猛毒と同じ作用を持つが、稀に適合する者もいる。《悪魔》の《血の誓約》と同じ能力。
◆乙葉マリア/女性/20歳/米国人とブラジル人のハーフ
●東雲探偵事務所の情報屋。AIのウサギのアバターを操り情報を集める。性格に難はあるが腕前は確か。珊瑚色の髪で色白の美女。ウサギ柄の羽織がお気に入り。普段は人前に出ることは無く、事務所の地下室で過ごしている。
●経歴:失踪した兄・乙葉ダニエルの行方を捜すため斑鳩科学研究センターの秘密を暴き、防衛省に不正アクセスを繰り返した結果、軍に捕らえられ、《監獄都市》に送り込まれる。狙撃されて死にかけたところをシロに拾われ、六道に《死刑執行人》にスカウトされる。銃撃された後遺症で足が動かず、車椅子を使用している。
●性格:性格ひねくれているが、情報屋としてのプライドと根性だけは人一倍ある。唯一の家族である兄・乙葉ダニエルは生きる目的そのもの。深雪の育ての母親である浅田晴子とは因縁がある。
●アニムス:《ドッペルゲンガー》……電脳空間上で特定のプログラムを複製する能力。AIのウサギのアバターを大量に複製し、コントロールすることで膨大な情報を集める。
◆紅神狼/男性/16歳/中国系
●黒のチャイナ服をまとった中性的な容姿の少年。その正体は腕利きの暗殺者。普段は中華料理店でウェイターとして働いており、茶鈴梅と茶鈴華と家族のように暮らしている。《進化兵》との戦いで重傷を負う。
●経歴:《レッド=ドラゴン》の暗殺集団、《紫蝙蝠》の一員として育てられる。権力抗争に巻き込まれて紫家は取り潰され、兄の彩水は黒家の養子に、神狼は紅家の養子にと別々に引き取られるが、《ペルソナ》の使い過ぎによって記憶の混濁を起こし、《中立地帯》で行き倒れていたところを流星に拾われる。
●性格:クールに見るが情には厚く、家族を何より大事にしている。深雪に対して友達想いの面がある。茶鈴華のことが好き。実の兄である黒彩水には苦手意識があり、逆らえない。
●アニムス:《ペルソナ》……容姿や声、記憶の一部に至るまで詳細にコピーする能力。ただし能力を使い過ぎると自分の記憶を失ってしまう。
◆不動王奈落/男性/23歳/ロシア人
●黒の軍服に黒の眼帯をした銀髪の傭兵。用兵から軍略・知識・狙撃能力、すべてにおいて実力が飛び抜けている。ヘビースモーカー。《進化兵》との戦いで《ジ・アビス》を解放した結果、現在はアニムスが使えない状態にある。
●経歴:世界中でゴースト犯罪者を狩る無国籍の傭兵集団の元メンバー。カーマ・マーラと呼ばれる精神系のアニムス使いによって、《ヘルハウンド》のメンバーは互いに殺し合いをはじめ、壊滅してしまう。生き残った奈落は、精神を汚染されたかつての仲間を一人ずつ殺して回っている。《レッド=ドラゴン》の藍光霧とは《ヘルハウンド》時代の古い知り合い。
●性格:傲岸不遜を絵に描いたような性格。《ヘルハウンド》への仲間意識は強いが、傭兵独自の価値観で動くため理解されにくい。《ヘルハウンド》ではロシア語のゼロを意味するノーリと呼ばれていた。オリヴィエとは価値観が合わず、そりが合わない。
●アニムス:《ジ・アビス》……寄生型の能力。人を喰らう怪物が眼帯のある右目に棲む。数あるアニムスの中でも謎が多い。
◆東雲六道/男性/36歳
●東雲探偵事務所の所長。《中立地帯の死神》の異名をとる黒づくめの眼光の鋭い痩身の男。片手・片足が義肢となっているため杖をつく。《ウロボロス》の元メンバーで、本名を北斗政宗という。
●経歴:二十年前、深雪のアニムス暴発事件に巻き込まれて片手・片足を失う。混乱期の《監獄都市》に秩序と平和を取り戻す為、《死刑執行人》の事務所を立ち上げるが、かつての仲間はみな命を落としている。己の余命が少ないことを知り、《中立地帯の死神》の後継者として雨宮深雪を指名する。
●性格:現実主義者で目的のためには手段を選ばない。鋼の意志を持っている。《監獄都市》の秩序の為には己の身を犠牲にすることも厭わない。
●アニムス:《タナトス》……一定の時間、一定の範囲でアニムスを無効かしてしまえる能力。
◆エニグマ/年齢不詳/男性
●黒猫を連れた神出鬼没の《情報屋》。クライアントである東雲六道の命を受けて《監獄都市》の情報を集めたり、雨宮深雪に接触して助言などしていた。
雨宮深雪が《東京中華街》に潜入するにあたって、東雲六道から譲り受ける。
●経歴:元は人間だったが、肉体はとうに失われ、人間だった頃の記憶もほとんどない。肉体という『器』を持っておらず、常に他の生き物に憑依する必要がある。小さなお守り袋に肉体の一部だったものが保管されているが、それを失うと存在そのものがこの世から消えてしまう。
●性格:慇懃無礼で芝居がかった大仰な言動をするが、情報屋としての腕は確か。深雪をからかって遊ぶという悪癖がある。
●アニムス:《べゼッセンハイト》…影を操る能力。他者を影の膜で覆って憑依したり、攻撃を防御する盾を作ることもできる。月城の影を操るアニムス《ドゥンケルハイト》と似通っており、両者には何らかの因縁がある。
【第七陸軍特殊武装戦術群のメンバー】
◆雨宮実由紀/推定20歳/男
●封鎖された《東京中華街》に潜入するため手を貸してもらう。《雨宮=シリーズ》である雨宮御幸の娘である帯刀火澄に強い関心を寄せている。
●《雨宮=シリーズ》の十一番目。《レナトゥス》を継承するための器として生み出されたクローン体の一人。外見は雨宮深雪とほぼ同じだが、深雪より目つきが険しく、髪が短い。サーベルを得意とするが、体術にも長けている。
●性格:どんな状況下でも冷静沈着に任務を忠実に果たそうとする軍人気質の持ち主。良くも悪くも真面目すぎる。完成形に近い《レナトゥス》を持っている深雪に対して劣等感を抱いている。
●アニムス:
《レナトゥス》:アニムスを一時的に使えなくすることはできるが、完全に消し去ることはできない。刃のようにして放つこともできる。
《天羽々斬》:剣圧を放つアニムス。離れた敵にも斬撃を飛ばして攻撃することができる。
◆碓氷真尋/推定23歳/男
●《碓氷=シリーズ》の五番目。クセの強い頭髪で後頭部やもみ上げは刈り上げている。語学に堪能で数か国語を操ることができる。
●性格:皮肉屋でいつも斜に構えているが、任務のためには自分の命を犠牲にすることをためらわない面もある。雨宮深雪のことが大嫌い。
●アニムス:
《コンダクター》:一定の範囲内にいる相手の行動を封じるアニムス。
《メルト》:物質を融解する強力な火のアニムス。自身に《メルト》を当てることで自爆を可能にする。
◆F‐二二五号機(愛称:ニコ)/推定17歳/女
●《進化兵》との戦闘で主力メンバーがいない東雲探偵事務所の護衛と警護を命じられる。
●戦うための生態兵器・《狗》として生み出される。淡いクリーム色をしたツインテールと、側頭部から垂れ下がるゴールデンレトリーバーに似た獣耳が特徴の十代半ばの少女。二刀流の短刀を使い、足技にも長けている。
●性格:主である雨宮実由紀を心から慕っているが、顔が同じ深雪がやや苦手。シロから友達認定され、勝手に「ニコ」という愛称までつけられて迷惑しているが、本心ではそこまで嫌ではない。いわゆるツンデレ。
●アニムス:
《ビースト》:身体能力と五感を一時的に強化するアニムス。ただし、シロと違って完璧にアニムスをコントロールしている。
◆剣﨑玲緒/推定15歳/女
●中性的な顔立ちに平坦な体形から少年に見られることも多いが、実は女性。
《進化兵》との戦闘で主力メンバーが欠けてしまった東雲探偵事務所の護衛と警護を命じられる。サポートがメインだが、最低限の軍事訓練は受けている。
●性格:口数が少ないが、わりと社交的な性格。ぽつりとひと言、突っ込むように喋る。
●アニムス:
《隠形鬼》:一定範囲にいる人間の存在を閾下レベルに下げて、相手から察知されにくくする能力。サーモグラフィや赤外線ですら欺くことができる。
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