第11章の登場人物

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【レッド=ドラゴンの登場人物】 【(ホン)家】… 六華主人を輩出した《レッド=ドラゴン》の主家であるが、非戦闘員が多い。 ◇(ホン) 神獄(シェンユイ) /享年37歳 ・六華主人であり、《特刑(アルコーン)》でもある《レッド=ドラゴン》のナンバー1。15年前、轟鶴治との間にもうけた生まれたばかりの娘、火澄を帯刀火矛威に預け、子どもの存在をひた隠しにしてきた。 ・隠し子である帯刀火澄の存在が暴露されたことをきっかけに体調不良と失策が続き、失脚に追い込まれてしまう。神獄の隠し子を引き渡すという黒蛇水(ヘイ・シャスイ)の取り引きに応じて紅龍芸術劇院に出向くが、全面抗争を回避するため、火澄の出生を闇に葬るため、最後は燃え盛る紅龍芸術劇院と運命を共にする。 ・その正体は《ウロボロス》の元メンバーで深雪の親友だった式部真澄(しきべますみ)。本物の(ホン)神獄(シェンユイ)が暗殺されたため、彼女に成り代わって《九尾狐(チウウェイフ)》を率いて八家をまとめ上げ、《レッド=ドラゴン》の基盤と《東京中華街》の繁栄を築いた。 ◇(ホン) 神獄(シェンユイ) /享年23歳 ・中華系のゴーストチーム、《九尾狐(チウウェイフ)》を率いる(ヘッド)だった。きっぷうのいい姉御肌のリーダーで真澄の憧れの人物だったが、黒蛇水(ヘイ・シャスイ)によって暗殺されてしまう。真澄と似たような背格好で、顔かたちもどことなく似ていた。 ●アニムス:《氷月花(ピンユエホワ)》……美しい氷の花の中に閉じ込め、氷漬けにしてしまう能力。 ◇(ホン) 天若(ティエンルオ) /60歳前後 ・本物の(ホン)神獄(シェンユイ)が生きていた頃からの腹心の部下。紅家を束ねる女傑。真澄が紅神獄に成り代わったあとも彼女の右腕となり、母親のように見守りつつ、陰日向から支えてきた。 ◇() 雨杏(ユイシン) /27歳 ・(ホン)神獄(シェンユイ)の専属の看護師。年は若いが、しっかりしている。紅神獄の体調不良を外部に漏らさないよう《レッド=ドラゴン》とはしがらみの無い者を、との理由で《監獄都市》の外から招かれる。 ◆(ホン) 夜猫子(イエマオツ) /死亡 ・夜猫子(イエマオツ)暗号名(コードネーム)でフクロウという意味。(ホン)家の諜報部隊、《天満月(ティエンマンユエ)》の一人。《レッド=ドラゴン》と《中立地帯》に独自の情報ルートを持つ。諜報活動中に黒彩水(ヘイ・ツァイスイ)に捕らえられ、命を絶たれる。 【(ホワン)家】 … 《レッド=ドラゴン》の最大勢力であり、治安部隊である《黄龍部隊》を抱える。 ◆(ホワン) 鋼炎(ガイエン) /享年52歳 ・(ホワン)家の当主であり、《レッド=ドラゴン》のNo2。六華主人である(ホン)神獄(シェンユイ)を支えてきた実力者であり、強かな政治手腕を備えた人格者。優れた中国拳法の使い手でもある。 ・口元からもみ上げを髭が覆い、全身を格闘家のように鍛え上げた巨漢。雷龍(レイロン)の伯父に当たる人物。 ・神獄の隠し子の引き渡しをするため、黒蛇水(ヘイ・シャスイ)の取り引きに応じて紅龍芸術劇院に出向く。待ち構えていた万武(ワン・ウー)たちを蹴散らすものの、鼯鼠(ウシュ)の毒針にその身を侵され、帰らぬ人となる。 ●アニムス:《炎帝(ヤンディー)神農(シェンノン)》……両腕に炎のナックルをまとい、打撃を与えるアニムス。《レッド=ドラゴン》でも最強クラスのアニムスで、その炎のナックルに触れた者は一瞬で灰になる。   ◆(ホワン) 雷龍(レイロン) /20歳 ・《レッド=ドラゴン》のナンバー3の実力者で、《黄龍部隊》のリーダー。敵には好戦的だが、味方には情に厚い頼れる兄貴分。理想が高いがゆえに、現実が見えていないところがある。 ・紅神獄と黄鋼炎が亡くなったことで黄家当主となり、六華主人の座につく。紅家を切り捨て、後ろ盾として黒家の手を取ったものの、年若いため黒蛇水の甘言に踊らされてしまう。 ●アニムス:《赤雷(レッドスプライト)》……《監獄都市》の中でも屈指の攻撃力を誇る電撃系のアニムス。装着(ウエアラブル)型のアニムスで、雷龍が愛用している青龍刀に宿すことで威力を増幅させる。赤矢(レッドアロー)を放つなど多段攻撃が可能。 ◆(ホワン) 影剣(インチェン) /20歳 ・雷龍に影の如く付き添う従者であり、雷龍の幼馴染み。黒髪黒目の短髪で背が高い以外に、これといった特徴が無いのが特徴。普段は控えめで真面目な性格なのだが、雷龍がからむと途端に怒りっぽくなる。 ・紅家を切り捨て、黒家と手を組むことを決めた雷龍に不安を抱いている。 ●アニムス:《亀甲(トータス・シェル)》……六角形をした防御壁を操る守りに徹した能力。亀甲型の防御壁はひとつでも作用するが、複数組み合わせることでより強固な壁を築くなどバリエーションが豊富。 【(ヘイ)家】 … 権力抗争に敗れた没落寸前の家だったが、《東京中華街》の動乱に乗じて覇権を取り戻す。 ◆(ヘイ) 蛇水(シャスイ) /70代 ・黒家の当主。《東京中華街》を混乱に陥れ、紅神獄と黄鋼炎を死に追いやった黒幕。本物の黒蛇水は亡くなっており、その肉体は悪魔(オグル)が乗っ取り操っているのだが、そのことに気付いている者は少ない。 ・オリヴィエの別人格だった悪魔(オグル)は15年前に肉体を別離したが、他者の体に寄生しなければ生きることができず、現在は黒蛇水の体に寄生している。本来の肉体(うつわ)を取り戻そうとオリヴィエを付け狙う。 ●アニムス:《血の誓約(ブラッディ・プレッジ)……血を操る能力。他者の体に侵入して血管を破裂させたり、他者の脳を乗っ取り、意識を奪うこともできる。 ◆(ヘイ) 彩水(ツァイスイ) /22歳 ・黒家の次期当主。黒家の養子であり、当主である蛇水と血の繋がりは無い。紫家の暗殺部隊(|紫蝙蝠《ズーピエンフ)》の元首領。神狼の実兄で、《導師(タオシ)と呼ばれている。 ・紅神獄と黄鋼炎を死に追いやった黒幕の一人。黒蛇水を怪しいと疑いながらも、偽物の紅神獄に(ズー)家を滅ぼされ、弟の(ラン)と引き離された恨みから《東京中華街》を混乱に陥れる陰謀に加担し、《月牙(ユエヤ-)》とともに紅家を壊滅させる。 ・彩水の大願が六華主人になることだと知りつつも、蛇水が六華主人に黄雷龍を指名したことに不満を抱いている。 ●アニムス:《ウォーター・スパウト》……水を自在に操る能力。ただし、空気中の水蒸気を水にすることはできない。 ◆鼯鼠(ウシュ) ・黒家の諜報部隊、《牙月(ユエヤ-)》の首領。黒彩水(ヘイ・ツイスイ)の最も信頼する部下。紫家の暗殺部隊、《紫蝙蝠(ズーピエンフ)》の一員であり、暗殺者のほとんどは鼯鼠(ウシュ)が育ててきた。権力闘争に巻き込まれて《紫蝙蝠(ズーピエンフ)》の仲間をみな殺しにされたことから紅神獄と黄鋼炎に強い恨みを抱き、毒矢によって黄鋼炎を亡き者にする。 ●アニムス:《チャンネル》……相手の肉体に流れる経絡(けいらく)を見極められる能力。体のどこに毒を仕込めば最も効果的か、経穴(けいけつ)の位置を見抜くことができる。 ◆(ワン)(ウー) /死亡 ・もともと黄家だったが、手下の二人を使って鈴華(リンファ)を誘拐して貢いだところ黄雷龍の怒りを買い、黄家を追い出される。行くあてもなく路頭をさ迷っていたところを黒彩水に拾われ、黒蛇水にそそのかされて紅神獄の暗殺計画に加担する。 ・黒蛇水に《血の誓約(ブラッディ・プレッジ)を体に仕込まれ、最強の肉体を手に入れたものの、黄鋼炎にコテンパンに叩きのめされ、命からがら逃げだしたところを鼯鼠(ウシュ)に口封じのため殺される。 ●アニムス:《リカバリー》……疲労や傷を回復させる能力。ただし、重度の傷や切断された肉体を再生するほどの能力はない。 ◆宇航(ウハン) /死亡 ・万武の手下。ひょうたんのように面長で、ひょろりと背が高い男。 ・もともと黄家だったが黄雷龍の怒りを買い、黄家を追い出される。行くあてもなく路頭をさ迷っていたところを黒彩水に拾われ、黒蛇水にそそのかされて紅神獄の暗殺計画に加担する。黄鋼炎と戦っても勝ち目は無いと万武を裏切ろうとしたが、万武に肉体を吸収されてしまう。 ◆子墨(ズモウ) /死亡 ・万武の手下。漬物石のような丸顔で、三人の中で一番背が低い。 ・もともと黄家だったが黄雷龍の怒りを買い、黄家を追い出される。行くあてもなく路頭をさ迷っていたところを黒彩水に拾われ、黒蛇水にそそのかされて紅神獄の暗殺計画に加担する。黄鋼炎と戦っても勝ち目は無いと万武を裏切ろうとしたが、万武に肉体を吸収されてしまう。 【(ラン)家】 … 台湾系華僑をルーツに持つ一族で、《レッド=ドラゴン》のどの家にも組せず、中立を貫いている。 ◆(ラン) 光鶯(クワンオウ) /70代 ・藍家の当主。六家の当主の中では最年長。仙人のような風貌(ふうぼう)の穏やかで聡明だが、決して一筋縄(ひとすじなわ)ではいかない人物。自主自立を好む気質ゆえに藍家はどの家ともつるまず、中立を貫いている。 ・外見は親子ほどに離れているが、実は藍光霧とはほぼ同い年。 ・数年前に子と孫を亡くしており、窮地(きゅうち)に陥った藍家を建て直すため、《壁》の外から藍光霧を呼び寄せた。 ・ただ一人残された肉親、ひ孫の藍朱光(ラン・シュクワン)を溺愛している。 ◆(ラン) 光霧(クワンウ) /70代 ・表向きは藍家の次期当主だが、実際は藍朱光が大きくなるまでの代理。 ・母方の一族が藍家と姻戚関係にあり、当主である藍光鶯とは幼馴染。 ・長髪で中肉中背。聡明で知識も深い、包容力に溢れた人物。 ・《ヘルハウンド》の元メンバーで奈落とは古い知り合い。カーマ・マーラの精神汚染されて、正気を保って生き延びている。 ●アニムス:《アムリタ》……肉体の治癒力を著しく向上させる能力だが、その副作用として肉体の老化を防ぐため、二十代の頃からほとんど容姿が変化していない。異常な回復力を見せるが不死ではない。 ◇(ラン) 朱光(シュクワン) /10歳 ・藍光鶯のひ孫。藍家直系の唯一の後継者。二つのお団子頭(シニョン)が可愛らしい少女。祖父母と両親が不審な死を遂げているため、公の場に姿を現すことなく、屋敷の奥で隠されるように育てられる。 ・年のわりには大人びており、頭の回転も速く、肝も据わっている。おまけに口達者なものだから、最近では光鶯でさえ手を焼いている。 ・深雪を気に入り、紅神獄の居場所を教えてくれた。 【(パイ)家】 … 黒家側の一派であり、紅家や黄家を快く思っていない。 ◇(パイ) (マオ) /享年58歳 ・ふくよかな体つきをし、上品で柔和な顔立ちで、まるで七福神の布袋を思わせる風貌をしている壮年の男。普段は穏やかで、優柔不断(ゆうじゅうふだん)な気すらある性格だが、当主として家人を想う気持ちは強い。 ・黒蛇水によって体に《血の誓約(ブラッディ=プレッジ)》を仕込まれ、家人を人質に取られたがために、黒蛇水の命令に唯々諾々と従って暴動に加担していた。釈明会見で紅神獄に説得にされて黒蛇水を反旗を翻そうとしたものの、黒蛇水に体内に仕込まれていた《血の誓約(ブラッディ=プレッジ)》を破裂させられ、命を落とす。 ◇(パイ) 玉宝(ユイパオ) /18歳 ・もともと茶家と縁組をしていたが、黄家の娼館から逃げ出し、追われていたところを深雪に助けられる。その後は白家に引き取られ、白家の双子の家に居候をしながら料理店を手伝っている。 ・今回も《東京中華街》に潜入していた深雪たちをかくまい、助けてくれた。 ◇(パイ) 星星(シンシン) /9歳 ・双子の姉妹。お団子頭の子供。深雪たちをかくまってくれる。 ◇(パイ) 銀月(インユエ) /9歳 ・双子の姉妹。ポニーテールの子供。深雪たちをかくまってくれる。 【(リュイ)家】… 元は黒家側の一派だが、黄雷龍と緑香露が婚約を結んだことから現在は距離を取っている。 ◆(リュイ) 香福(シャンフ) /67歳 ・痩身で禿頭、口元にひげを蓄え、どことなく仙人のような風格を湛えた人物。年老いてからもうけた一人娘、緑香露を溺愛している。 ・黒蛇水によって体に《血の誓約(ブラッディ=プレッジ)》を仕込まれ、黒蛇水の命令に唯々諾々と従って暴動に加担していた。だが盟友である白昴の死を目の当たりにし、玉砕覚悟で黒蛇水に弓引くものの、今度は愛娘の香露を人質に取られて身動きが取れなくなってしまう。 ◇(リュイ) 香露(シャンルー) /17歳 ・緑家の一人娘で雷龍(レイロン)の許嫁。生粋のお嬢様。甘やかされて育ったため性格は少々わがまま。ファッションに美容と自分磨きに事欠かない。香露は雷龍がそれなりに気になっているものの、愛情表現が不器用であり、雷龍のほうはまったく香露に興味が無いため、二人の行く末は前途多難である。
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